十勝地域の感染対策強化に向けた新たな挑戦
2025年に実施された「地域医療機関ICTカンファレンス及び新興感染症を想定した合同訓練」が、十勝地域の医療機関による感染対策の質を高める重要なイベントとなりました。約100名の医療関係者が集まり、新興感染症や災害時における連携体制の強化を図りました。これは、コロナ禍での危機感が引き金となり、医療従事者自身の安全を守るための取り組みです。
地域医療機関の連携の重要性
帯広厚生病院の髙村副院長は、2019年の世界的パンデミックを振り返り、地域の医療機関が協力する重要性を強調しました。with COVID-19の時代、感染対策を強化するためには、リーダー施設だけではなく、多様な施設との連携が不可欠と考えています。
この合同訓練は、2022年の診療報酬改定に基づき、感染対策向上加算1の施設が主導する形で企画されました。新興感染症や災害時に迅速に対応できる体制を整えるため、十勝管内は明確に4つのエリアに分けて運用を開始しました。これにより、全ての医療機関が協力して脆弱な施設を支える基盤を築くことが期待されています。
参加型ゲーミフィケーション『SAVE!』の導入
今年のカンファレンスは、従来の座学型の形式を見直し、参加者同士の実践的な対話を重視する方針に転換しました。ICN(感染管理認定看護師)の1人は、「参加者の多様性を考慮し、全員が満足できる内容を考えることが最大の課題だった」と語ります。この課題を解決するために選ばれたのが、参加型ゲーミフィケーション教材『SAVE!』です。
この教材は、チーム対抗形式で行われ、参加者間の活発な議論を促します。特にノロウイルス患者の吐物処理訓練では、正解発表後も実践的な議論が繰り広げられるなど、座学では味わえない活気が見られました。担当者は「対話を通じて理解が深まることを再認識した」と述べ、今後の医療現場での直接的な推進となることを期待しています。
地域全体での組織的な感染対策を目指して
カンファレンスを通じて得た知見を基に、地域のICNチームは今後の連携展望を考えています。病院従事者だけでなく、高齢者施設や障害者支援施設に対しても連携指導を行い、感染対策の底上げを図ることを目指しています。最終的な目標は「誰がやっても同じように感染対策ができる組織づくり」です。この考え方は、地域全体の感染対策を根本から強化するために必要な基盤となります。
閉会のメッセージ
閉会の挨拶を務めた帯広医師会の稲葉会長は、感染対策が単独の努力では実現できないことを強調しました。「協力を通じてしか地域を守ることはできない」との言葉を胸に、今後もこの合同カンファレンスは続け、日本の地域医療を守る取り組みを広めていくことを誓いました。
この訓練は、十勝地域の感染対策を更に強化し、新興感染症への備えに向けた重要なステップとなるでしょう。地域医療を守る力強い結束を、参加した医療関係者一同が感じた時間でした。