第6回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード
2023年10月、賞の第6回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード(JSSA2025)の授賞式が大阪・関西万博の「BLUE OCEAN DOME」にて行われました。このアワードは、持続可能な水産業の推進やサステナブル・シーフードの普及を目的とし、特に優れたプロジェクトを表彰するものです。
受賞プロジェクトの発表
授賞式では、参加した7組のファイナリストの中から、2つのチャンピオンと1つの特別賞が発表されました。まず「リーダーシップ部門」では、「循環型藻場造成『積丹方式』によるウニ増殖サイクルとブルーカーボン創出プロジェクト」がチャンピオンに選ばれました。これは、北海道積丹町の取り組みで、廃ウニ殻を肥料に再利用した藻場の造成が評価されています。
次に、コラボレーション部門では「現場起点で日本の海の未来を考える水産未来サミット」がチャンピオンとなりました。このプロジェクトは、全国の漁業者や研究者が集まり、実際のプロジェクトや政策提言を行う協働の場を創出しています。
さらに特別賞は、「インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト(AIP)」第3期が受賞しました。このプロジェクトは、持続可能なブラックタイガーエビ養殖に注力し、国際的な協働を通じて成果を上げています。
プロジェクトの詳細
1. 循環型藻場造成『積丹方式』
積丹町では、磯焼けにより減少した藻場回復のために、2009年に「海の森づくり」を始めました。特に2019年からは、廃棄ウニ殻を肥料として利用する「積丹方式」が開発され、2023年には1.5ヘクタールのコンブ場が再生され、約3,550万円の収益増加が実現しました。さらに、6.4トンのCO₂削減も認証され、地域の持続可能な発展に寄与しています。
2. 水産未来サミット
このプロジェクトは、生産者、行政、企業、NGOなど多様な関係者が集まる合宿形式の共創型サミットです。議論を具体的なアクションに結び付け、2025年までに全国規模での水産改革を促進することを目指しています。
3. インドネシア・エビ養殖業改善プロジェクト
日本生活協同組合連合会が進めるこのプロジェクトは、持続可能なエビ養殖モデルを構築し、ASC認証の取得やマングローブ再生などを行っています。生態系保全と地域経済の発展を両立させる先駆的な取り組みとして、多くの成果を上げています。
持続可能な未来への道
審査員の宮原正典氏は、「過去最多の応募があり、多様な取り組みが高い水準で集まりました。これらのプロジェクトが持続可能な水産業を牽引し、次世代への道を切り拓くことが期待されます」と話しました。
このように、ジャパン・サステナブルシーフード・アワードは、厳選されたプロジェクトを称えることで、今後の持続可能な水産業の発展を促進しています。この動きが今後どのように広がっていくのか、注目が集まります。次回の応募は2025年5月から開始される予定です。