次世代を担う小学生が海の未来を考えた!寿都湾調査隊2025の全貌
2025年8月5日から7日の2泊3日、北海道寿都町で「寿都湾・海と風の調査隊2025」が開催されました。このイベントは、「海と日本プロジェクト」の一環であり、海への理解を深め、持続可能な未来を考えることを目的としています。参加したのは、道内の小学5、6年生20名。彼らは寿都町の海の恵みを体験し、海の環境や風の影響について学びながら、自らの手で未来を考える仕組みを身につけました。
海と風のつながりを学ぶ
寿都町は、江戸時代から明治初期にかけてニシン漁で繁栄した港町で、近年は海の環境の変化が漁業に影響を与えています。今回の調査隊活動のテーマは「海と風のつながり」。特に「だし風」と呼ばれる局地的な風が吹き、寿都町は強風で知られています。子どもたちは、これらの自然現象がどのように海に影響を与えるかを学びました。
初日は、まず「カクジュウ佐藤家」の見学からスタート。ここでは、ニシン漁で栄えた当時を感じさせる歴史的な建物を見学しました。子どもたちは豪華な内装に興味を持ち、様々な質問を投げかけていました。
午後からは、政泊漁港で実際に海に入る活動が始まりました。ライフジャケットを着用し、海の冷たさやぬるさを感じ取る中、SUP(スタンドアップパドルボード)体験も行われ、子どもたちは元気いっぱいに楽しんでいました。特に班対抗のレースでは、大きな笑い声と歓声が響いていました。
美味しい海の恵みと未来への意見
夕食は「ダイマル大谷会館」で地元の海の幸をふんだんに使った特別メニューを楽しみました。「寿都ほっけめし」や「寿都夏ぶりめし」、「寿都まぐろのお刺身」など、新鮮な味を堪能しながら、子どもたちの笑顔が溢れました。
2日目は、寿都町漁業協同組合地方卸売市場の見学から始まりました。セリの様子を観察しながら、魚がどのように食卓に届くのかを学びました。市場の方々との質疑応答を通じて、より深く海の仕組みを理解することができました。
風力発電所では、寿都町の特有の風、「だし風」の解説を受け、風力発電が地域にもたらす利点についても学びました。環境保護の重要性を改めて感じることができた瞬間でした。午後には、矢追海岸で自然観察を行い、多様な生物や海藻を採取。海の恵みの多様性を実感しながら、楽しさと学びを両立させました。
未来を描く発表
最終日には、班ごとにこれまでに学んだ内容をもとに「寿都の海の未来」をテーマに意見をまとめました。「水族館や博物館を作り、施肥コーナーを設けて寿都の魅力を広める」など、子どもたちのユニークな発想が集まりました。彼らの目の輝きに、未来を担う力強さを感じました。
調査隊活動を終え、参加者一人ひとりに「寿都湾・海と風の未来大使」の認定書が授与され、責任感を持った未来の海の守り手としての役割が期待されています。
参加者の感想
参加した子どもたちからは、「海のことを色々と学べて、とても楽しかった!」との声が多く寄せられました。また、保護者からも「実際に体験することで、子どもが学びを深める姿に驚いた」といった感想がありました。
このイベントを通じて、海の未来について真剣に考える機会が提供されたことは、次の世代へとつながる大きな一歩となりました。今後も、北海道の美しい海を次世代へと引き継ぐ活動が続いていくことを期待しています。