白糠町のいくら事情
2025-04-24 11:11:10

白糠町の豪華いくらと鮭危機の真実とは?それでも続く信念を追う

北海道の東部、釧路市の近くに位置する白糠町は自然が豊かな町で、漁業や酪農が盛んです。特に、町内の茶路川、庶路川、音別川では、鮭が産卵のために帰ってくる姿が見られるため、秋鮭の漁獲量やいくらの生産が高く評価されています。この土地ならではの名産品として、今やふるさと納税の返礼品としても人気を誇る「いくら」。

2025年5月16日からは、白糠町にふるさと納税を行うことで、いくらの返礼品が迅速に届く特別なキャンペーンが実施されます。今回は、いくらの生産とその現状について、広洋水産株式会社の工藤啓介さんに伺いました。工藤さんは23年以上の経験を持ち、いくらと向き合ってきた専門家です。

農業の衰退と需要の増加


心苦しい現実。10年前は漁獲量が15万トンで「豊漁か不漁か」の基準だったものが、現在ではわずか5万トン。これは、いくらの生産にも大きな影響を及ぼしています。いくらは鮭の卵から作られるため、鮭の減少がそのままいくらの減少に直結するのです。かつては日本国内で消費されていたいくらも、今では多くが海外からの冷凍品を使用する時代に突入しました。大部分がアメリカ産となり、その品質は国内産とは異なるものです。

九月から十月は、鮭が故郷に帰る時期であり、その時期に獲れるいくらは鮮度が命。流通には限りがあり、そのためいくらの価格は数年にわたって変動し、2024年には特に高騰しました。これにより、日本市場でも高級な食材として扱われ、その希少性が際立っています。

世界的な需要と供給のバランス


昨今、いくらへの関心が高まっています。日本食が世界的に認知され、いくらを使った料理も増加し続ける中、需要は増え続けています。しかし、供給は厳しく、特にロシアでは全て国産で消費されるため、いくらの国際的な価格は上昇の一途です。

日本と海外のいくらの違い


日本では「醤油漬け」が一般的ですが、海外では「塩いくら」が主流です。そのため国によって、いくらの使われ方も大きく異なります。広洋水産が「いくらの醤油漬け」を日本に広めた功績は大きく、酸化を防ぐ「窒素置換」技術を介して、新たなスタンダードを築いてきました。

工藤さんが推奨する食べ方は「いくら丼」。ご飯との相性が抜群で、素材本来の旨味を楽しむことができます。

変わりゆくいくらの未来


白糠町のいくらで特に注目したいのが、広洋水産のブランド「シラリカいくら」です。このいくらは、高品質を求めた様々な工夫が施されています。捕獲から工場への運搬、卵がいくらとして生まれ変わるまでのスピード感、そして包装技術のクオリティ。これらが絶品のいくらを生み出しています。

いくらの未来を考えると、次世代への受け継ぎが重要です。温暖化の影響や養殖の成長など、新たな課題が続出していますが、本物のいくら文化を未来へつなげるべく、工藤さんは熱い思いを抱いています。

白糠町のいくら生産を守り続けながら、さらなる発展を目指す工藤さんの姿勢は、地域の宝物を未来に伝える重要な役割を果たしていると言えるでしょう。


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