東海大学の学生ロケットプロジェクトが大樹町で30回目の打上げ成功

東海大学学生ロケットプロジェクト、30回目の成功を収める

2025年3月8日、東海大学の学生ロケットプロジェクト（TSRP）が、北海道大樹町において通算30回目となるロケットの打上げ試験を成功裏に完了しました。この試験は、商業宇宙港「北海道スペースポート（HOSPO）」の運営を行う大樹町とSPACE COTAN株式会社の後援のもと、将来の高高度に向けたロケット技術の開発を目的としています。

打上げ試験の詳細

今回の試験では、打上げの精度向上を図るために新たに搭載されたピトー管を使用し、正確な速度測定を試みました。また、パラシュート機能の実証も行い、ロケットの安全な回収を図りました。試験の結果、ロケットは高度408mに到達し、520m北東の地点に無事着陸しました。すべての機能が予定通りに稼働し、打上げと回収ともに成功を収めました。

これまで東海大学では2004年から大樹町でのロケット実験を続けており、今回の打上げで通算30機目。これにより、学生たちが宇宙技術者として必要な実践的な知識とスキルを身につける環境が整備されています。

HOSPOの役割と今後の展望

北海道スペースポート（HOSPO）は、2021年から本格的に開業しており、年間約40件の航空宇宙関連実験を受け入れています。大樹町は、広大な土地と優れた地理的条件から、次世代の宇宙技術が発展する土壌となっています。今回の試験成果を基に、さらに多くの実験やプロジェクトが推進される見込みです。

今後も大樹町とSPACE COTANは、宇宙ビジネスの拡大や地域の不動産開発を進め、企業や団体、さらには新たな人材育成に努めていく方針です。特に、2025年には国の宇宙戦略基金に基づく新たな射場の整備を目指し、ロケットの打ち上げ頻度を向上させる計画も立てられています。

地域への影響

大樹町では、宇宙産業の促進により地域経済の活性化を図る取り組みが進められています。また、先日行われた試験の成功により、今後ますますその重要性が増すことでしょう。同町が目指す「宇宙版シリコンバレー」の実現に向け、地元住民や関係者の期待も高まっています。

これからも大樹町の宇宙産業界の動向に注目が集まる中、宇宙と地域振興をつなぐ架け橋としての役割が期待されています。東海大学のプロジェクトがどのように進化していくのか、その行く末が楽しみです。