森林内における高精度GPSロガーの実践的検討結果
エゾウィン株式会社がこのたび発表した、みちびきCLAS対応の高精度GPSロガーの森林内での精度検証レポートが注目を集めています。特に、GPSの信号が届きにくい環境での測位精度は、農作業や調査の現場において重要です。ここでは、その検証の背景や具体的なデータをもとに、どのように精度が変わるのか詳しく見ていきます。
検証の背景
森林内は樹木や葉が衛星からのGPS信号を遮るため、精度の高い測位が困難な場所です。特にプロフェッショナルな現場では、「今、本当に正確な位置が取得できているのか?」といった疑問が常にあります。また、アンテナを身体に装着することで、身体自体が障害物となり、精度に影響が出ることも考えられます。エゾウィンは、このような環境での測位の信頼性を明らかにし、ユーザーが最適な運用方法を選べるようにするため、今回の検証を実施しました。
検証の概要
実施されたのは約13kmの歩行テストです。参加者は、みちびきCLAS対応の高精度GPSロガーを身体のさまざまな部位に装着しました。具体的な設置位置は以下の通りです。
- - 基準データ:頭部に設置
- - 比較データ①:背部に設置
- - 比較データ②:腰部に設置
検証結果
距離の誤差
検証の結果、装着位置によって値に明確な差が出ることが示されました。
- - 頭部設置:総距離13.4km(基準)
- - 背部設置:総距離12.8km(誤差-4.4%)
- - 腰部設置:総距離12.4km(誤差-7.7%)
FIX率の比較
次に、測位精度の高さを示す「FIX率」についても比較しました。
- - 頭部設置:35.7%(最高精度)
- - 背部設置:0%
- - 腰部設置:0%
この結果は、森林環境での測位の信頼性を確かめる重要な指標となります。特に、頭部における設置が圧倒的に信頼性が高いことが示唆されています。残念ながら、他の設置位置ではFIX値が取得できませんでした。そのため、精度にこだわらない一般的な利用であれば、腰部や背部での装着も選択肢の一つとなります。
今後の展望
今回の実証実験により、森林内における高精度測位の具体的なデータが得られたことで、エゾウィンは今後も地道な実験を通じて、信頼性の高いデータを基にした運用改善提案を行っていきます。長期的には、プロフェッショナルなニーズに応えられるよう努力を続けてまいります。
動態管理DX「レポサク」の主な特徴
- - 超高精度な作業記録:誤差12cmで位置情報を自動記録。オペレーターの操作は不要。
- - リアルタイムな進捗の可視化:車両や圃場の進捗率を地図上でリアルタイムに確認できます。
- - データに基づく運用改善:日報や稼働データの分析により、職務の最適化や技術の継承が期待できます。
会社概要
エゾウィン株式会社は、2019年に設立され北海道標津町で業務を展開。農業の自動化を進め、日本の食糧生産を支えることを目指しています。今後とも、イノベーティブな技術を活用し、農業の未来を切り開く取り組みを続けていきます。