ウポポイにおける丸木舟製作の新たな試み
北海道白老町に位置するウポポイ(民族共生象徴空間)では、2025年2月13日よりアイヌ文化の象徴とも言える丸木舟の製作が始まります。この貴重なプロジェクトは、東京大学の北海道演習林と協定を結び、初めて提供されたカツラ材を使用しています。来場者は、工房「イカㇻ ウシ」前にて、スタッフによる製作風景を見学しながら、伝承される製作技術を学ぶことができます。
丸木舟は、アイヌ語で「チㇷ゚」と呼ばれ、昔は道路が整備されていなかった時代に荷物の運搬や漁などに利用されてました。しかし、近年は大きなサイズの木材を入手することが難しくなっており、丸木舟の製作は希少な機会となっています。ウポポイではアイヌ文化の継承を目的に、丸木舟の製作を計画しており、そのために適した木材の提供が重要です。
東京大学との協定
今回の木材提供においては、2022年7月に締結された協定が果たす役割は大きいです。この協定により、アイヌ文化の振興と普及を目指し、大学の研究や教育にも寄与することを目的としています。ウポポイのスタッフは、木材の加工にあたるだけでなく、製作過程の重要性を広く伝えていく予定です。
製作のスケジュール
丸木舟の製作は、以下のスケジュールで進められます。
- - 2月~4月: 船の大まかな形を作る荒彫り
- - 5月~9月: 乾燥具合を確認しながら整形
- - 10月~12月: 最終的な仕上げ
この製作のスケジュールは、天候によって変更される可能性もあるため、訪問される方は予め確認をすることをお勧めします。
初日の作業予定
製作初日は、2025年2月13日(木)に予定されており、午前10時から午後2時までの間に行われます。この日、スタッフは安全に作業を進めるために儀礼を執り行い、その後木の皮を剥ぐ作業を開始します。また、作業中には担当者が解説や質疑応答に応じる機会も設けられています。見学者は製作の過程を間近で観察し、アイヌ文化の深い知識を得る良い機会となります。
未来の丸木舟とその役割
完成した丸木舟は、2026年4月末に「チㇷ゚サンケ(舟おろし)」の進水式を迎えます。これにより、実演・解説プログラムが始まり、見学者は完成した丸木舟に乗る様子も見ることができます。このような取り組みにより、ウポポイは引き続きアイヌ文化の復興と創造に寄与し続けます。
ウポポイについて
ウポポイは、2020年にオープンしたアイヌ文化の復興・伝承の拠点であり、国立アイヌ民族博物館や体験型フィールドミュージアムなどを有しています。美しい自然に囲まれたポロト湖のほとりで、多様なアイヌ文化や歴史に触れることができることが最大の魅力です。
公式ウェブサイトやSNSを通じて、最新情報やイベントも随時発信していますので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。