次世代太陽電池の実証実験が「さっぽろ雪まつり」で始動

2025年1月20日、YKK AP株式会社と札幌市は、次世代型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を用いた建材一体型太陽光発電の実証実験に関する連携協定を締結しました。この取り組みは、2050年までに札幌市が掲げる温室効果ガス排出量実質ゼロ（カーボンニュートラル）を目指しており、環境省の「脱炭素先行地域」にも選ばれています。

この連携により、2月4日から11日まで開催される「さっぽろ雪まつり」の会場に、実証実験を行うためのムービングハウス「SAPPORO ZERO BOX」が設置されます。これは、建材の壁面や窓を活用して太陽光を発電する新しい形の住宅で、札幌の厳しい冬の環境でもその効果を確認することが目的です。

取り組みの概要

本実証実験は、YKK APが現行の窓の断熱効果に加え、新たに窓で発電するという「窓で発電」技術を導入することによって、カーボンニュートラルの実現に貢献していく計画です。過去にも、秋葉原で「Akiba ZERO BOX」という実証実験ハウスを展開し、その成果をもとに今度は雪国での実効性を測定することが焦点です。

このムービングハウスでは、来場者に対して札幌市の取り組みや、ペロブスカイト太陽電池の特徴を紹介する資料も展示されます。これにより、地域の住民や観光客が持続可能なエネルギーへの理解を深められることを期待しています。

協力による新たな未来への挑戦

YKK APは、株式会社関電工と業務提携を行い、お互いの技術力を結集して次世代の窓や壁を活用した太陽光発電技術の開発に取り組んでいます。今回の協定によって、実証実験の結果をデータとして収集、分析し、今後の技術普及に向けた課題を洗い出します。そして、その成果に基づき、将来的には市有の施設への導入も検討される目的があります。