自動運転トラックによるセブン-イレブンの新しい物流モデル
2023年、セブン-イレブン・ジャパン(以下、SEJ)と三井物産流通グループ(MRG)、そして株式会社T2の3社による共同プロジェクトが始動しました。この取り組みは、業界初の試みとして自動運転トラックを活用した長距離輸送の実証実験です。関東から関西の高速道路一部区間で進められるこのプロジェクトは、持続可能な物流体制の構築を目指しています。
プロジェクトの背景と目標
物流業界では、ドライバー不足が深刻な問題となっています。特に長距離輸送においては、安定的な供給体制の確保が求められる中、SEJは自動運転トラックの導入に向けた道を歩み始めました。目指すは、2027年度に導入されるレベル4自動運転トラックによる新しい輸送サービスです。
実証実験の概要
本実証実験では、使用済み食用油から生成したバイオ燃料(B5軽油)を試験導入することで、物流における環境配慮を強化し、持続可能性を追求しています。具体的な実証内容は以下の通りです。
- - 期間:2025年12月1日から2026年4月までの間、計3回の実施
- - 輸送区間:埼玉県のMRG埼玉第二センターから兵庫県のMRG関西センターまで
- - 積載物:「セブンプレミアム」の常温商品(カップみそ汁やキッチンペーパーなど)
役割分担
このプロジェクトにおいては、各社がそれぞれの役割を担っています。SEJは実証のテーマ設定と商品提供を行い、MRGは物流拠点の管理や運行スケジュールの調整を担当。T2は自動運転トラックの提供と走行データの収集・分析を行います。
環境への貢献
また、本実証ではバイオ燃料を自動運転トラックの燃料として使用し、CO₂排出の削減にも貢献することを目指しています。自動運転トラックに給油スポットを設け、長距離輸送における環境配慮を強化しています。これにより、企業全体での環境負荷の低減が期待されます。
未来への展望
この取り組みは、ただの物流改善にとどまらず、国全体の持続可能な発展にも寄与するものです。自動運転技術を駆使した新たな物流モデルの確立は、業界全体に革新をもたらす可能性があります。これにより、効率的な人材運用や環境への配慮が実現されることが期待されています。
まとめ
この実証実験は、セブン-イレブンの物流システムにおいて重要な一歩です。未来の効率的かつ持続可能な物流を目指すこのプロジェクトから、今後も目が離せません。SEJ、MRG、T2の3社が共同で進めるこの試みは、業界の先駆けとなることでしょう。新しい時代の物流システムが、どのように構築されていくのか、一層の注目が必要です。