シクフォニが示す新たな音楽の形
2025年9月13日、2.5次元タレントグループ「シクフォニ」がリリースした最新楽曲のミュージックビデオ(MV)がYouTubeに公開されました。そのタイトルは驚くことに、曲名も読み方も存在しないというユニークなもの。シクフォニは、この「名前のない楽曲」に対してファンと共に解釈を共有し、新しい音楽の体験を提供しています。
空白の意味を探究する
楽曲のタイトルは、一見何も書かれていない空白のように見えます。しかし、この空白には深い意味が込められており、「これは何だろう?」「なぜ空いているのか?」という疑問が、本作の核心となります。この楽曲の完成形をファンと共に築くというプロジェクトは、単なるタイトル募集ではなく、ファンとアーティストが一緒に作品に命を吹き込む場です。
ファンは公式YouTube、TikTok、Instagramのコメント欄で、楽曲の読み方を投稿できます。そして、9月28日に行われるYouTubeの生配信で、最終的な読み方が決定されます。これにより、一つの音楽がファンによって異なる視点から解釈され、共に創り上げられる瞬間が生まれます。
反転したシクフォニらしさ
新作のMVでは、シクフォニのメンバーが描かれたイラストの一部が反転されています。普段感じているシクフォニのイメージと異なる感覚が与えられ、視聴者に微妙な違和感をもたらします。これは「正しさ」や「違和感」を問い直す演出であり、楽曲とともに鑑賞者に体験してほしいというメッセージが込められています。空白のコンセプトと緊密にリンクしたMVの構造が、さらなる響きを持たせているのです。
言葉にできない感情を表現
今回のシクフォニの新曲は、これまでの楽曲とは一線を画しています。記憶の断片のような、明確に言語化されていない感覚が音楽の中に重なり、まるで夢の中にいるかのような不穏さと静けさを表現。また聴く者に様々な感情を呼び起こします。孤独や不安、違和感、声にできなかった気持ちなどが描かれ、これらははっきりとは明言されていません。求められているのは、聴衆自身がその「揺らぎ」を感じ取ることなのです。
無限に広がる解釈の可能性
「タイトルがあるから物語が始まる」という常識を揺るがすことで、シクフォニは新しい音楽の扉を開きます。タイトルのないことが、聴き手の解釈を無限に広げ、それぞれの人生に寄り添って「自分だけの曲」となるのです。最後には、ファンと共にたった一つの解釈が選ばれるという、新しい音楽体験がここにあります。
シクフォニの革新的な取り組みは、これからも注目すべきポイントです。2025年10月26日には、彼らの初3Dライブが無料で配信予定。この挑戦を通じて、音楽と物語の境界がどのように再定義されるのか、ファンとして楽しみにしたいものです。