持続可能な水産業
2025-12-01 15:16:25

持続可能な水産業へ向けた新たな取り組み「ブリ人工種苗」の初出荷

持続可能な水産業へ向けた新たな取り組み



福岡県に本社を置く株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)と、熊本県に本社を持つ株式会社拓洋が共同出資で設立した株式会社マリンバースが、2025年6月より「ブリ人工種苗」の販売を開始します。これは、日本国内での持続可能な水産資源の確保に向けた新しい一歩であり、ブリの人工種苗が夏の高水温期を乗り越え、良好に成育していることが確認されたことも大きな進展です。

海洋環境問題への挑戦



近年、地球温暖化に伴う海洋環境の変化により、養殖業は大きな影響を受けています。特にブリの種苗は天然に依存することが一般的で、産卵期も限定されているため、種苗の安定供給は課題となっています。そこでマリンバースは、海洋環境の影響を受けにくい安定したブリの調達を目指し、完全養殖の研究を進め、2024年には人工種苗の生産テストに成功しました。これにより、養殖業者は天然資源に依存せずにブリの流通を確保できるようになります。

一貫したサイクルによる持続可能な調達



ブリ人工種苗の販売にあたって、マリンバースでは親魚からの採卵から始まり、孵化後の稚魚を成魚に育てる一連のプロセスを確立しています。このサイクルを持続可能に構築することで、天然資源を一層保護しつつ、安定した水産物の供給を実現することを目指します。加えて、育成環境や飼料管理がしっかりしているため、顧客に届ける際には安定した品質のブリを提供することが可能となります。

「スシロー」での販売計画



JVsであるマリンバースが開発したブリ人工種苗の一部は、尾鷲物産での養殖を経て、2027年からはF&LCが運営する「スシロー」での提供を計画しています。このような流通体制を通じて、消費者に新しい形のブリを提供し、持続可能な水産業への意識を高めていくことが期待されています。

マリンバースの活動と今後の展望



2022年に設立されたマリンバースは、既に飼料の販売やマダイの人工種苗の取り扱いを行っており、業界内でも注目されています。ブリの完全養殖を推進しつつ、持続可能な水産業の在り方を模索していく姿勢は、多くの養殖事業者や消費者に新たな希望をもたらすでしょう。マリンバースはこれからも、飼育環境の改善や食の安全性向上を目指し、持続可能な水産資源の確保に努めてまいります。

今後の動向に注目し、私たちも一緒に持続可能な水産業の未来を考えていきましょう。


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