持続可能な畜産へ向けた新たな挑戦、高機能バイオ炭「宙炭」の実証実験が始まる

新たな取り組み「宙炭」実証実験始まる

近年、持続可能な農業と畜産の重要性が高まる中、株式会社TOWINGと日本ハム株式会社が共同で、革新的な高機能バイオ炭「宙炭（そらたん）」を用いた実証実験に取り組むことが発表されました。この取り組みは、環境問題解決に向けた一歩として大変注目されています。

1. 宙炭が目指すもの

TOWINGが開発した「宙炭」は、土壌由来の微生物群を最適に選別・培養する技術を用い、様々なバイオマスを炭化して生成される農業資材です。原材料には、もみ殻や樹木の剪定枝、さらには家畜糞も含まれます。これにより、従来の処理方法で発生していた温室効果ガスを削減することが期待されており、持続可能な畜産への貢献が期待されています。

2. 実証実験の概要と目的

TOWINGは、日本ハムと協力し、実証実験を通じて以下の項目を検証しています。

鶏糞を活用した栽培実証：北海道のニッポンハムグループが保有する圃場において、炭化した鶏糞を原料とする宙炭を施用し、トウモロコシの生育に与える影響を調査します。
豚糞の堆肥化に伴う温室効果ガス削減：豚糞を堆肥化する際に宙炭を加え、堆肥化促進効果やガス削減効果を評価します。また、新たな処理方法がどの程度温室効果ガスを削減できるかの試算も行います。

3. 今後の展望

TOWINGは、日本ハムとの協業により、温室効果ガス削減に貢献するだけでなく、農地の改良や炭素の貯留にも力を入れ、耕畜連携による持続可能な一次産業の発展を目指しています。また、今後の研究結果が出ることで、さらに多くの畜産業者や農業者にとって有益な情報が提供されることでしょう。

4. TOWINGと日本ハムの背景

TOWINGは名古屋大学から生まれたインパクトスタートアップとして、サステナブルな農業の実現に向けて活発な研究開発を行っており、その成果を活かした「宙炭」を提供しています。一方、日本ハムは、80年以上の歴史を持つ食品加工企業で、最近ではサステナビリティ戦略に力を入れ、持続可能な食のシステムの構築に貢献しています。

「宙炭」の実証実験は、二社の力が集まり、持続可能な未来を目指す挑戦の象徴とも言えます。これからも、持続可能な農業と畜産の発展に向けた新たな取り組みに注目していきたいと思います。