萩原建設工業がインフラDX賞を受賞
北海道帯広市に拠点を置く萩原建設工業株式会社が、建設業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを評価され、「インフラDX賞」を受賞しました。この栄誉は、土木部 工務課 係長の早川剛史さんが執筆した論文が評価され達成されました。受賞対象となった論文は、「RPAやAIを用いた資材管理のオートメーション化に関する取り組み」で、2025年6月6日に北海道札幌市で表彰式が行われる予定です。
取り組みの背景
本論文は、2024年度に帯広市で行われた堤防保護工事を基にしたものです。この工事では、約8,300個もの資材が含まれており、従来の手作業による管理では大きな業務負荷が予想されました。国土交通省が推奨する「i-Construction 2.0」に基づき、萩原建設工業は独自のシステムを開発し、現場の負担軽減と生産性向上を目指しました。
論文のポイント
本論文では、普段は建設業とは無関係に見られるRPAやAI技術を実際の資材管理の現場に導入し、デジタル技術の業界内での活用が明らかにされています。具体的には、データの自動集計だけでなく、従来使用していた「図面」上に情報を反映することで、実務のフローとスムーズに結びつける工夫がされています。
業務効率の向上
初めて業務効率化を試みた際には、スプレッドシートによる自動集計を計画したものの、情報の反映が手作業になるため本質的な業務削減に繋がらないことが認識されました。そこで、図面上への情報自動反映と管理図の可視化に焦点を当て、AIとRPA技術を駆使した新たなシステムを発展させました。
この導入により、従来約240時間を要していた作業が13.36時間に短縮され、実に28人分の作業削減が実現しました。また、プログラムされたシステムにより資材の動きがリアルタイムで視える化され、ペーパーレス化やミス削減にも成功しています。
建設業界へのインパクト
この取り組みは今後の建設業界におけるDX推進に大いに貢献する可能性を秘めており、他の工事現場でも応用が期待されています。RPAやAIの導入に対する抵抗感がある現場でも、具体的な活用モデルとなることで、より多くの企業がこの動きに沿った取り組みを進めるでしょう。
表彰の意義
早川さんは「この受賞は私にとって非常に嬉しい瞬間であり、今後の論文執筆にもさらなるモチベーションを与えてくれる」と語っています。また、建設業の重要性を伝える意義を強調し、若い世代に向けて「建設業ってかっこいい」と思ってもらえるよう、積極的に情報発信を続けたいとの意向を示しています。
今後の展望
萩原建設工業の取り組みは、建設業界におけるデジタル化の新たな道を切り開くものであり、これからも多くの人々にその魅力を伝えていくことに注力していくとしています。
この挑戦が、業界全体のイメージ向上に寄与することを期待し、今後の発展を見守りたいものです。