NOFメタルコーティングスがデジタル化を進め業務効率を大幅に改善

NOFメタルコーティングスが進めるデジタル化

NOFメタルコーティングス株式会社（以下「NOF」と略します）は、長年にわたる金属防錆処理剤の開発と販売で知られる企業で、近年、その競争力を高める一環として業務のデジタル化に取り組んでいます。2023年からは、株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム受発注 for 製造業」と「BtoBプラットフォーム請求書」を導入し、業務効率の向上を図っています。

デジタルプラットフォーム導入の背景

NOFは、自社で開発した「ジオメット®」シリーズをはじめとする革新的な表面処理技術によって、世界市場で50%以上のシェアを誇るリーディングカンパニーです。しかし、毎月100件以上の請求書や発注書を紙媒体で処理していたため、業務が非常に煩雑で各部門には大きな負担がかかっていました。

特に、手入力や目視チェックの作業は時間と労力がかかり、効率的な業務運営を妨げる要因となっていました。これに対応するため、NOFはデジタル化の機会を求めるようになりました。活用したプラットフォームは、承認ワークフローを含む一連の業務を一元化し、正確なデータを基幹システムに連携できる機能を有しています。

プラットフォーム導入のメリット

導入に際し、NOFが特に評価した点は、請求書の受取、発行、保管が効率的に行えることでした。AI-OCR技術により紙やPDFフォーマットの処理がスムーズに行え、さらには学習機能によって仕訳処理が自動化されることも大きな魅力とされました。また、データをCSV形式で出力し、既存の基幹システムとの連携も簡単に行えるため、システム導入にかかるコストを抑えられることも選定の決め手でした。

デジタル化の成果

導入から時間が経ち、NOFでは、2025年10月までに請求書の約55%が「BtoBプラットフォーム請求書」を通じて処理される見込みです。残りの45%の請求書は、同プラットフォーム内の「BP Storage for 請求書」で管理されることにより、一元的な管理が実現されます。この効率化により、以前は3営業日かかっていた業務が、半日で完了するようになりました。

特に経理部門では、請求書データを会計システムに連携させた後の処理やファイリングを含む業務時間が、導入前と比べて20%程度削減される成果を得ています。そ
の結果、業務効率が顕著に向上し、75%の発注先に対しプラットフォームからの発注が可能となったことで、全体的な効率化が実現されています。

今後の展望

NOFは今後も短期・中長期での業務連携やデータ活用を進めていく方針を掲げています。短期的には、発注データと基幹システムを連携し、手入力に頼らない自動化されたプロセスを目指しています。中長期的には、請求業務全体をスムーズに管理できる環境を構築し、蓄積したデータを経営意思決定に活かすフェーズに移行する意向です。

NOFメタルコーティングスのデジタル化が進むことで、今後の製造業界全体にとっても前向きな変化をもたらすことが期待されます。業務の効率化のみならず、ペーパーレス化やデータ分析を通じた経営の強化が実現されていくでしょう。