道東のカーボンファーミング
2025-11-20 15:40:22

道東エリアの持続可能な酪農がすすめるカーボンファーミングの実証活動

道東エリアのカーボンファーミング推進の試み



道東カーボンファーミング活動研究会は、2023年8月に設立され、北海道別海町を中心に、地域の酪農業の持続可能な成長を目指しています。2025年度の活動報告では、特に「多様な酪農モデルに対応した実証活動」に焦点を当てています。この研究会の活動は、フードチェーンにおける酪農家と乳業メーカーの連携を強化し、地域社会全体を巻き込んだ取り組みを進めています。

多様な酪農モデルの実証



道東では、3つの異なるスケールの農場がカーボンファーミングの実証を行っています。これにより、それぞれの農場がどのように持続可能な農業を実現するかを検証しています。

1. 大規模農場の中山牧場


中山牧場は、別海町で乳牛1,300頭を飼育している大規模な酪農経営を行う農場です。この牧場は、独自のバイオガス発電設備を保有しており、牛から出る糞尿をエネルギー源として利用しています。この実証では、不耕起圃場での堆肥や消化液を用いた慣行農法で炭素の貯留と微生物活性の観測を行っています。中山勝志会長は、「毎日の糞尿処理を資源循環として見直し、酪農のあり方を変えたい」と語り、実証成功への意欲を示しています。

2. 中規模農場のリジッドファームズ


リジッドファームズは、乳牛を100~300頭飼育する中規模の農家で、化学肥料の使用とスラリーの散布による比較調査に取り組んでいます。この農場は、有機JAS取得の経験もあり、サステナブルな農業を実現しながら、高品質な飼料生産も目指しています。森田哲司代表は、「中規模農家がサステナビリティを追求することで、問題解決の道を見出したい」との意気込みを語ります。

3. 小規模農場の養老牛山本牧場


養老牛山本牧場は、約30頭の牛を完全放牧で飼育しており、2024年度に引き続き混播草地の播種による土壌改善に挑んでいます。牛がスリムな環境で育つことが、土の健康にも寄与すると考えられています。山本照二代表は、「小規模農場だからこそ見つけられる方法がある」と述べています。

土壌健康度調査を通じた農業教育


2025年10月には、土壌健康度を調査するためのイベントが開催されます。この活動では、春に採取した土壌サンプルとの比較を行い、さまざまな農法の効果を測定します。また、今年は高校生や大学生が現地で調査を手伝い、持続可能な酪農の仕組みを学ぶ機会も設けられています。イベントに向けて、学生たちには農業に対する新たな提言やアイデアが求められています。

カーボンファーマーズの活動発信


道東エリアでのカーボンファーミングに関する情報は、専用のnoteプラットフォームで発信されています。このnoteでは、酪農家の思いや取り組みを詳しく紹介し、関心を持つ新たな酪農家や乳業関係者に向けた情報を提供しています。

結び


以上のように、道東カーボンファーミング活動研究会は、さまざまな規模とアプローチで持続可能な酪農を推進しています。これにより、地域の農業が持つ可能性と、未来豊かな食の循環構造の確立への道を開いています。


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