新十津川町に常設されたドローンポート
北海道新十津川町では、地域住民の安全を守るために新たな試みが始まりました。町役場の屋上に設置された「Skydio Dock for X10」というドローンポートが、熊出没時の迅速な状態確認と監視を目的に運用を開始しています。この取り組みは、近年増加しているクマなどの有害鳥獣による被害を軽減し、地域住民が安全に暮らせる環境づくりに寄与するものです。
背景と目的
近年、北海道では市街地へのクマの出没が顕著になり、住民の安全が脅かされています。このようななか、既存の対応だけでは不十分との認識が広まり、新十津川町では自動離発着と自動充電が可能なドローンポートの常設を決定しました。このシステムを搭載したドローンは、クマ情報の通報を受けた際に即座に現場に向かうことができ、安全かつ迅速に現状を把握することを可能にします。
ドローンポートの設置概要
- - 設置日: 2025年12月22日
- - 設置場所: 新十津川町役場の屋上
- - 設置機体: Skydio Dock for X10
- - 主な用途: クマ出没時の初期確認、周辺エリアの監視・見守り
運用フロー
このドローンポートは、以下のフローで運用されます。
1.
情報収集: 新十津川町内での熊出没情報が入ると、ドローンによる捜索が行われます。
2.
自律飛行: Skydio Dock for X10は夜間でも自律的に飛行可能で、搭載された可視光カメラとサーマルカメラを活用し、熊の探索を行います。
3.
対応措置: 熊が現場に居る場合、スピーカーを用いて追い払ったり、位置情報を猟友会と共有し、罠設置の対応を取ります。
4.
見守り活動: 熊が見つからなかった場合でも、ドローンが周辺を監視し、地域の安全を見守ります。
地域連携と未来への展望
KDDIスマートドローン社は、地域の猟友会とも連携を図り、技術を現場で適切に活用するための人材教育にも力を入れています。今後、全国1,000カ所にドローンポートを展開し、必要な場所に素早く駆けつけられる体制を築くことを目指しています。
この新たな取り組みは、防災や見守りなど地域の課題解決に寄与し、安心・安全な社会の実現に向けた重要な一歩となるでしょう。新十津川町のドローンポートは、地域の未来をより明るくする役割を果たすことでしょう。