八雲町の熊ツアー
2026-07-29 11:12:29

熊と共存する社会を模索する八雲町のリジェネラティブツアーに参加して

熊との共生を探求する八雲町のリジェネラティブツアー



2026年6月20日から21日にかけて、北海道の八雲町で「ヒグマからの恩恵を受け取ってきた町で、熊と生きる社会を再設計するリジェネラティブツアー」が開催されました。このツアーは、札幌で行われたカンファレンス「道雪会議」の一環として行われたもので、今年2月に続いて2回目の開催となりました。テーマは、「共異体」~「混ざり合う」のではなく「境界線」で手をつなぐというもので、多様な参加者が八雲町に集まり、熊を通じて人と自然の関係を再考しました。

1. 「過去」を見つめる:八雲町の歴史とアイヌ文化



ツアーは八雲町郷土資料館から始まり、ここでは学芸員による講義が行われました。参加者は、縄文土器に刻まれた熊のデザインや、アイヌ文化において大切にされる「キムンカムイ(山の神)」の精神性について学びました。特に注目されたのは八雲町の伝統工芸品である「木彫り熊」の背景です。秀吉政権下でアイヌとともにクマ狩りを行った歴史や、スイスから木彫り熊の技術が持ち込まれた理由も探りました。その中には、開拓の困難を乗り越えるために模索された「共生」の考え方がありました。

2. 「現在」を見つめる:野生動物の痕跡を探す



資料館の後、一行は野生動物の足跡を探しに出発しました。ハンターと自然ガイドの導きのもと、深い森へと足を運びました。道路沿いには熊の糞があり、現実に熊の生息が身近にあることを実感しました。さらに、ガイドの目によって遠くに熊の姿が捉えられる場面もありました。この体験を通じて、八雲町における人と熊との距離感について深く理解を得ることができました。

3. 「未来」を見つめる:共生の可能性を探るワークショップ



宿泊先に移動した参加者たちは、熊との共生についてのワークショップを通じて知見を深めました。日々熊と向き合う猟師や観光事業者からの話を聞き、熊の出没増加の背景や、農業の被害、生態系への影響などについて熱い議論が交わされました。共生というテーマを語ることが美辞麗句に終わらず、リアルな現実を受け止めることの重要性を再認識しました。

夜にはハンター特製のジビエ料理を味わい、「命をいただく」意味や資源の活用についての学びの場ともなりました。共生をテーマにした夜の対話の中で、参加者は一体感を感じながら、各自の思いを語り合いました。

ペコレラ学舎での対話



今回のツアー拠点は、廃校をリノベーションした「ペコレラ学舎」です。かつて多様な生徒たちが通ったこの場所が、今では命をテーマにした対話の場となりました。この施設は、Wi-Fi完備の快適な環境と、野生と隣り合わせの体験ができる絶妙なコントラストを提供しています。参加者は、自らの仕事に向き合いつつ、自然と人間の関係についてじっくり考える貴重な時間を得ました。

あとがき



前回の冬と対照的に初夏の開催となった今回、参加者は新たな視点から共生を見つめ直す機会が得られました。「人とヒグマとの関係を再評価できた」「ヒグマが地域の自然や人々の生活とつながる存在になった」といった声が寄せられ、参加者一人ひとりがそれぞれの身近な共生について考えるきっかけとなったことが嬉しい限りです。私たちは今後も共生の在り方の探求を続けます。

今後の展開



次回のリジェネラティブツアーは2026年11月頃に予定されています。また、専用サイトも立ち上げ、そちらでも実施内容や最新情報を発信していく予定ですので、ぜひご覧ください。


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