冬にぴったりな青春小説『やさしい雪が降りますように』
2025年9月18日、株式会社河出書房新社から桃実るはさんのデビュー作、『やさしい雪が降りますように』が発売されます。この作品は、第5回氷室冴子青春文学賞で準大賞を受賞。作中には、温かいユーモアと憂いを抱えた青年たちの姿が描かれ、多くの読者に共感を呼び起こすことでしょう。
本書の魅力
主人公は高校2年生の森川六花。彼女はふざける母、穏やかな父、そして「お姫様」として振る舞うお姉ちゃんとともに、ユーモアに溢れる家族の中で生活を送っています。しかし、彼女の心の奥には掘り下げてはいけない暗い影が潜んでいるのです。六花はそんな家族との日常の中で、自分自身の過去と向き合い、成長していく姿が描かれています。
この作品では、六花の同級生・森沢との片思いを絡め、親友・瑠璃菜との青春も呼び起こします。二人とのやりとりは、小気味よく、きらきらとした輝きを持っています。そんな中で、彼女たちと共有する時間は、青春の青さをもどかしくも愛しく感じさせる一方、時折暗い影が她らの周りに忍び寄ることも忘れません。
絶賛の声
この新作には、審査員からも多くの絶賛の声が寄せられています。町田そのこさんは、「どうして彼らはユーモアを必死に纏おうとしているのか、ふとした瞬間に影を感じる。そんな微妙な距離感が非常に印象的だった」と述べました。また、久美沙織さんは「傷ついた家族を描きつつも、根底にユーモアと希望がある作品で、とても好き」と強調しています。
また、書店員たちからも「心に温かい火を灯されるような作品」「少女の明るさと家族の秘めた影のコントラストが心に響く」などといった、温かな応援の声が上がっています。
あらすじ
物語は、森川六花の視点から進行します。17歳の彼女は、高校生活を送る中で、ふざけた母親、落ち着きのある父、自分を「お姫様」と称するお姉ちゃん、そして、いつでも優しい彼女たちとともに過ごします。そんな中、彼女の心にある暗い影と葛藤しながら、日常生活を送る六花。日々の中での小さな幸せや、片思いの森沢とのドタバタは、読者を魅了することでしょう。
この冬にぜひとも読んでほしい、心温まる青春小説を手に取ってみてはいかがでしょうか。発表当日に、彼女の物語に心が温まることを期待しています。
著者の紹介
桃実るはさんは、埼玉県出身で応用生物科学科を卒業し、2023年にこの作品で氷室冴子青春文学賞の準大賞を受賞しました。著者自身もユーモアと青春の交差する世界を描くことに情熱を注いでいます。
強力な文学賞の背景
氷室冴子青春文学賞は、少女たちに愛される作家・氷室冴子を顕彰するために設立されました。新たな才能を発見することを目的とし、毎年多くの作品が応募されています。過去の受賞作品も好評を博しており、今後の作家たちの活躍にも高い期待が寄せられています。
今後の彼女の作品にも注目が集まっているので、新刊の『やさしい雪が降りますように』を通じて、彼女の物語の世界にアクセスしてみてください。