BtoB企業が直面する与信管理の現状
株式会社ラクーンフィナンシャルが実施した調査によると、BtoB企業の約80%が与信判断に基づく営業機会損失を経験しています。与信管理の重要性が高い企業間取引において、売上拡大を目指す一方で、未回収リスクを避ける難しさが浮き彫りになっています。今回は、この調査結果を詳しく見ていきます。
調査の背景と目的
企業間取引では、未回収リスクを防ぐための与信管理は避けて通れませんが、与信判断が厳しすぎると、獲得すべき取引機会を逃すことになります。このジレンマに対処することが、BtoB企業にとっての大きな課題となっています。今回の調査では、経営者や営業、経理責任者を対象に、与信管理の実態を明らかにしました。
調査概要
調査は2026年6月に実施され、1,000人の企業関係者が回答しました。主な調査項目には、新規取引先に関する与信管理の実施状況や与信審査にかかる時間が含まれています。結果からは、営業部門や経理部門が与信管理を兼任している状況が伺えました。
企業の与信管理体制
調査結果によると、新規取引先の与信管理を『営業部門が兼任している』という回答が42.5%と最も多く、続いて『専任部署・担当者がいる』との回答が30.5%でした。多くの企業で与信管理が兼任で行われている現状が確認されました。一方で、約3割の企業は、与信管理に特化した専任部署を持つと回答しています。
与信審査にかかる時間の実態
新規取引先の与信審査には、通常1営業日から数日かかることが一般的となっており、1営業日で完了する企業は全体の約24.3%に留まります。多くのBtoB企業では審査にかかる時間が運用上のボトルネックになっていることがわかります。それが新規取引の獲得機会喪失につながっていることが懸念されます。
与信判断による営業機会損失
顧客への影響について尋ねたところ、約9割が与信判断により新規取引を見送った経験があると回答しました。具体的な影響としては、競合他社への顧客流出や営業担当者のモチベーション低下が挙げられ、与信判断による影響が営業戦略全体に及ぶことが示されました。
与信管理における課題
調査で明らかになった課題は、審査に必要な情報収集の困難さや審査基準の曖昧さ、時間がかかることです。特に情報収集に多くの工数がかかり、全体の31.5%が「顧客を待たせる」と回答。これにより、商談が長引き顧客の温度感が下がる結果を招きます。
理想の与信管理体制に向けて
多くの企業が求めるのは、売上機会の損失を防ぎつつキャッシュフローを安定させる与信管理体制です。そのためには、正確で網羅的な信用情報の収集、迅速な審査が可能なシステム、専門知識を持つ人材の確保が必須です。これにより、企業はリスクを抑えつつも売上拡大を実現できると考えられます。
まとめ
与信管理の効率化は、BtoB企業にとっての競争力を左右する重要な要素です。テクノロジーの活用と専門知識の融合が、理想的な与信管理体制の構築につながります。企業は今後、属人的な判断から脱却し、効率的かつ迅速な与信管理の実現を目指す必要があります。これにより、営業機会の損失を防ぎ、事業成長を推進していくことが必要不可欠です。