小樽市、初の自動運転EVバスを導入
全国各地で進む自動運転技術の社会実装が、北海道小樽市にも到来しました。小樽市とマクニカは、地域のバス路線を確保するために、自動運転EVバスの実証運行を開始することを発表しました。この取り組みは、バスの乗務員不足が続く中、安心して利用できる公共交通を提供するための一環です。
自動運転EVバスとは?
今回導入された自動運転EVバスは「NAVYAEVO」と呼ばれるモデルで、システムが周囲の状況を認識しながら運転を行います。自動運転レベル2に位置付けられたこのバスは、基本的には自動で走行しますが、万が一の障害物を検知した場合は自動で停止し、同乗のオペレーターが手動での操作を行う仕組みです。
運行ルートは小樽国際インフォメーションセンターと周辺の観光地を巡る3.7km区間で、1日7便が運行される予定です。これにより、利用者は美しい小樽の風景を楽しみながら、安全かつ快適に移動できるようになります。
地域住民へのメリット
この実証運行の最大の目的は、市民の交通手段の確保や運転手不足対策です。特に公共交通空白地帯では、地域住民の交通アクセスが向上し、経済活動にも良い影響を与えることが期待されています。自動運転EVバスは、市民に便利で安心な交通手段を提供するための新しい形として、多くの人々の関心を集めています。
デザインコンテストでの創造
さらに注目すべきは、北海道科学大学とのコラボレーションによるバスのラッピングデザインです。大学内で公募が行われ、多くの素晴らしい作品が寄せられた中から選ばれたのは、「小樽切子」という地元のガラス工芸をテーマにしたデザインです。このデザインは、海の波や灯台を描き、地域の文化を称えるものとなっています。実証運行中には、応募作品のパネル展も開催され、地域のアートや文化への理解が深まる機会となるでしょう。
体験できる試乗会
運行は2025年8月18日から31日まで、毎日開催され、洗練されたEVバスの乗車体験もできます。乗車は無料で、事前予約も可能ですが、定員は1便あたり8名と限られています。市民を対象にした優先予約があり、予約制度を通じて多くの方にこの新たな交通手段を体験してもらう機会を提供します。奇数便では予約が必要で、偶数便は当日の先着順での乗車が可能です。
小樽市の未来
小樽市は、日本海に面した美しい街で、海と山に囲まれた自然豊かなエリアです。四季それぞれの魅力を楽しむことができ、地域の交通インフラを強化することは観光業や地元の経済にもプラスになります。自動運転EVバスの導入により、未来の小樽の公共交通がどのように進化していくのか、今後の展開が非常に楽しみです。
この実証運行を通じて、地域住民や観光客に様々な新しい体験を提供し、バス路線の維持フェーズに向けた重要な一歩となることを期待します。