おはぎとおむすびの名店『サザエ』、グッドデザイン賞受賞の理由とは
北海道で愛されるおはぎとおむすびのブランド『サザエ』が、2025年度のグッドデザイン賞・ベスト100に選ばれました。その魅力と、リブランドの背後にあるストーリーをお届けします。
ブランドの誕生と歴史
『サザエ』は、1957年に函館の朝市で創業し、まかないとして始まったおはぎが評判を呼び、食堂から専門店へと転身しました。創業者の野村とみさんの「サザエさん」に由来する社名は、親しみやすさを感じさせ、今や北海道内に59店舗を展開する名店として知られています。北海道民からは愛称の「サザエさん」として親しまれるこのブランドは、地元の食文化を支え続けています。
リブランディングの取り組み
昨今、長い歴史の中で商品展開が多様化し、ユーザーからは「何屋か分からない」との声が上がっていました。そんな中、サザエ食品はリブランディングを決断し、創業の原点に立ち返ることにしました。その結果、主力商品の「おはぎ」と「おむすび」に焦点を当て、商品数を約2/3に絞り込むことになりました。
新しいブランドコンセプト「手のひらに、想いをのせて。」を掲げ、昔ながらの手作り製法に戻すことで、商品の美味しさも向上。ロゴやパッケージなどのデザインも一新され、統一感を持たせることに成功しました。
リブランディングの成果
このリブランディングによる効果は即座に現れました。全店舗の売上は前年比で大きく伸び、特に主力商品である「おはぎ」と「おむすび」では前年同月比141%を達成したとのこと。さらに、WEBサイトのアクセス数も月に3,477PVから335,919PVと100倍に増加。地域メディアでも取り上げられ、「新しく元気に生まれ変わった老舗ブランド」として多くの支持を受けています。
デザイン賞受賞の評価
グッドデザイン賞の評議員からは、リブランディングの成果について高い評価が寄せられました。歴史あるブランドが創業の精神に立ち戻り、商品群を明確にし、魅力のあるロゴデザインとパッケージが一体となったデザイン戦略は、若い世代にも響くものでした。地域に根ざした温かい手仕事は、未来の北海道の食文化の持続可能なモデルを示しており、その点が特に評価されています。
経営者のコメント
サザエ食品株式会社の代表取締役社長、石水創氏は、リブランディングを通じて創業の想いと未来への希望を結ぶ道標となったと語り、「手のひらに、想いをのせて」という言葉を胸に、北海道の恵みを届けることを再確認しました。
また、ブランディングデザイナーの西澤明洋氏も、地域に根ざしたブランドのリブランディングが評価されたことを非常に嬉しく思っています。
おわりに
『サザエ』はただのおはぎやおむすびを提供するだけでなく、地域の文化や歴史を織り交ぜた商品を通じて、人々に笑顔を届けることを目指しています。本記事を通じて、今後も地域の皆様に愛され続けるブランドであり続けることを期待したいです。今後の展開が楽しみですね。