北海道スペースポートの商業運用に向けた新たな連携体制とは
2023年10月、北海道広尾郡大樹町にある民間宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営するSPACE COTAN株式会社が、三技協及びその関連会社である三技協イオスと連携協力協定を締結しました。この協定は、HOSPOの商業運用を実現するための重要なステップであり、宇宙産業の発展には欠かせない要素となります。
三技協と三技協イオスの役割
三技協と三技協イオスは、これまで日本の基幹ロケット向けの追尾局の運用に携わってきました。特に2025年7月には、HOSPOでのjtSPACE株式会社によるサブオービタルロケット「VP01」の打上げが予定されており、SPACE COTANと三技協は共にその追尾局の開設を支援しました。
さらに、三技協はHOSPOを応援する企業によるコミュニティ「HOSPO SUPPORTERS」のメンバーであり、HOSPOの発展に向けた議論を重ねています。これらの経験を基に、より強固な連携を築くために協定を締結したのです。
HOSPOのビジョンと地域活性化
SPACE COTANは、大樹町と共同で多様なロケットを頻繁に打ち上げられる宇宙港「HOSPO」を整備し、「宇宙版シリコンバレー」の創出を目指しています。HOSPOを中心に宇宙関連産業を北海道に集積させることで、地域経済の活性化を図るというビジョンが掲げられています。
今後は、HOSPOに賛同するさまざまな企業や団体と協力し、整備や宇宙産業の発展を推進していく方針です。特に、追尾局ネットワークの構築、人材や技術の活用方法、商業運用段階での参画についての議論が行われる予定です。
HOSPOの設備と将来の展望
HOSPOは2021年4月に本格稼働を開始し、人工衛星の打上げに対応した射場Launch Complex 1(LC1)の整備が進められています。この施設は、北海道の地理的優位性を活かす形で設計され、地域の活性化にも寄与しています。事業としては、企業版ふるさと納税制度を活用して資金を調達し、内部環境の整備が進行しています。
また、今後の計画として、高頻度打上げが可能な射場Launch Complex 2(LC2)の整備や、さらなる大型ロケットや有人ロケット打上げに向けたLaunch Complex X(LCX)の構築が見込まれています。
国際連携と地域の未来
HOSPOは、2024年10月に世界の主要な商業宇宙港との国際協力に関する覚書(MOU)を締結予定であり、打ち上げ需要の拡大に対応するために、射場の国際標準化や運用コストの削減に向けた合理化が進められることとなります。
2025年1月には、宇宙戦略基金に採択され、高頻度打上げの実現に向けた基盤技術の研究・開発が行われます。新たな宇宙時代の幕開けに向けての挑戦が、まさにこの北海道の地から始まるのです。これらの動きによって、北海道の宇宙法律において重要な役割を果たす未来が期待されています。
最後に
SPACE COTANと三技協の連携協力協定は、日本の宇宙産業にさらなる進展をもたらすものです。HOSPOが北海道の経済や地域社会にどのように貢献していくのか、今後の動向に注目が集まります。挑戦し続ける姿勢が、高まる宇宙ビジネスの波に乗るための原動力となるでしょう。