食材高騰が飲食業界を直撃
近年、物価の上昇が続き、多くの業界が影響を受けていますが、特に飲食業界においては食材高騰が大きな問題となっています。今年行われた株式会社インフォマートによる実態調査によると、飲食店の4割以上がコストの上昇を自社で吸収しており、厳しい状況にあることがわかりました。
調査の概要
調査はデジタルツールの導入状況やメニュー価格の改定に関する293名の飲食業者を対象に行われました。結果的に食材の高騰を受けた値上げ実施の実態が明らかになりました。
デジタル導入の現状
調査結果では、食材の受発注管理にデジタルツールを「導入している」と回答したのはわずか25.6%にとどまり、74.4%は未導入もしくは導入状況がわからないという結果でした。特に、未導入の飲食店においては、理論原価と実原価の乖離を把握できない層が43.5%に達し、「どんぶり勘定」の懸念があることが明らかとなっています。
高騰への対応と値上げ実施状況
食材高騰に対する飲食店の対応として、82.8%の店舗が「原価が上昇した」と感じている一方、実際にメニュー値上げを行ったのはわずか55.9%にとどまっています。このことは、飲食店が値上げを実施することの困難さを物語っており、特に客離れを懸念する店舗が多いことを示しています。具体的には、経営者の経験や勘に依存した価格設定が23.3%の店舗に見られることも、データに基づかない価格設定の実態を裏付けています。
食材高騰の対策
値上げ以外の対策として最も多く挙げられたのは「仕入れ先の見直し」であり、次いで「安価な代替食材への切り替え」や「ポーションの縮小」が続きました。このように、飲食店は原価の上昇に対し、さまざまな形で対策を講じていることがわかります。
食料システム法の影響
2026年には「食料システム法」が施行されますが、飲食店側が価格交渉において必要な客観的根拠を提示できているのは28.8%にとどまるという現状も浮き彫りになりました。一方、デジタルツールを導入している店舗の方が高い割合で根拠を持ち交渉に臨んでいることが確認されました。このように、デジタル化は業務効率化だけでなく、価格交渉にも大きな影響を与えているのです。
まとめ
飲食業界は今、物価高騰と人件費の上昇に苦しんでいます。調査からは、食材高騰に対して多くの飲食店が値上げを断念し、コスト圧迫を自社で吸収し続ける姿が明らかになりました。これに対抗するためには、デジタルツールの導入が鍵となるでしょう。業界全体でこの状況を乗り越え、公平な取引に向けた体制づくりが必要です。