新規就農支援で夢を実現！北海道白糠町の農業物語

北海道白糠町の新しい農業物語

北海道の東部に位置する白糠町（しらぬかちょう）は、豊かな自然に囲まれたまちで、「農業に夢と希望を持って取り組める町」を目指しております。この町では2019年より新規就農支援制度を設けており、農業に挑戦したい人々を手厚くサポートしています。その結果、これまでに7世帯がこの制度を活用し、異業種から農業への転身を果たしています。

成澤さんファミリーの挑戦

「もりもりふぁーむ」を経営する成澤寛和（なりさわひろかず）さんもその一人です。2019年に家族と共に白糠町に移住し、自然栽培による豆類やじゃがいもの生産に取り組み始めました。適切な食材を自分の手で作りたいという思いから、農業に転身を決意した成澤さんの物語を紹介します。

成澤さんは、長男がアレルギーを抱えていたことから、「食べ物を作ろう」という結論に至りました。異業種交流会を通じて、農業に関する知識を深め、2019年にゼロからの農業生活がスタートしました。初年度は厳しい環境の中、鹿の食害に苦しめられながらも、小さな収穫を得ることができました。

農業の厳しさと成長

1年目の収穫は大豆が両手のひらに乗るほどというもので、鹿に食べられないように漁網を使っても効果が薄く、完全に厳しい状況に立たされていました。ですが、白糠町からの支援で本格的な防護柵を設置し、食害を防げる環境が整いました。この時から農業が本格的に始まったのです。

その後、機械除草を導入し、草に埋もれていた豆の苗が成長する様子を目の当たりにしました。2023年には、豆が5トン、じゃがいもが16トン、合計で20トン以上の収穫という成果を手にしました。この成功は成澤さんにとって大きな自信となり、「自然栽培でここまでできる」という手応えを感じるきっかけになりました。

自然栽培の魅力

また、成澤さんは、自家採取の種がこの土地で育まれ、地域の記憶を持つ重要な要素であると述べています。自然栽培の風土に適応しながら成長する大豆やじゃがいもは、地域の気候や土壌に適応したものとなり、その安定した収量は成澤さんの取り組みの成果を物語っています。

新規就農支援制度の重要性

成澤さんの農業の背後には、白糠町の新規就農支援制度が大きく寄与しています。機械の購入費用の半額補助や、助成金などの手厚い支援があり、特に鹿柵の設置に関する資材支援は、初年度の苦労を軽減し、農業を続ける重要なサポートとなりました。

次世代への希望

農業は厳しさを伴う一方で、効率化や機械化により、より充実した生活と未来に向けた希望を見出すことも可能です。成澤さんは、「循環」というテーマのもと、漁師との交流を通じて、山と海の関係性の重要性を実感しています。自然栽培によって、自分たちの健康だけでなく、地域の環境も守ることができるという実感を持ち続け、未来の世代に繋げていきたいとの思いを語ります。

農業を通じて地域づくりに挑む成澤さんの努力は、家族の健康を考えた素晴らしい取り組みであり、今後もその歩みを応援していきたいと思います。「大豆はだいじ」という信念を胸に、これからも自然栽培を続ける成澤ファミリーの姿勢は、多くの人に希望を与えています。これからも白糠町の農業がどのように発展していくのか、見逃せません。