北海道が目指す宇宙版シリコンバレー
北海道の大樹町に位置する商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」が、新たな発展を遂げようとしています。SPACE COTAN株式会社は、この地域の宇宙関連産業の集積を目指して、三井物産と基本合意書(MOU)を締結しました。この合意は、HOSPOを核とする宇宙版シリコンバレー構想に基づき、地域経済の活性化や雇用創出を意識したものとなっています。
HOSPOの目的と背景
2012年から宇宙港の整備に取り組んできたSPACE COTANは、HOSPOを通じて国内外のロケットを高頻度に打ち上げられる体制を整えています。大樹町の地理的特性を生かし、宇宙関連産業を誘致してきた結果、今や新しい産業集積地としての地位を築きつつあります。これにより、地域経済への貢献も期待され、少子高齢化による人口減少に歯止めをかけるための重要なプロジェクトといえるでしょう。
なお、HOSPOでは人工衛星の打ち上げに対応するための射場も整備中で、企業版ふるさと納税制度を利用して整備資金を確保しています。将来的には、有人ロケットの打ち上げにも対応する計画があります。
基本合意書の内容
SPACE COTANと三井物産は、宇宙版シリコンバレー構想の実現に向けて、各種のプロジェクトにおいて協力することを約束しました。
SPACE COTANの役割
- - HOSPOの開発・整備に必要な検討
- - 宇宙版シリコンバレー構想のためのロードマップ案の作成
- - 三井物産からの助言を受けた検討
三井物産の役割
- - 支援方策の検討
- - 他企業や機関との連携強化
- - コンソーシアムの構築
このように、両者がそれぞれの専門性を活かし、シナジーを生むことが期待されています。
雇用創出と観光促進
この基本合意書の締結により、HOSPOを中心とした新しいビジネスチャンスが生まれることが予想され、地域の雇用も拡大するでしょう。また、宇宙産業の発展は、観光業にも寄与するため、大樹町が観光地として人気を博する新たな起爆剤となるかもしれません。
今後の展望
三井物産は2024年からの3年間で、HOSPOのサブオービタルロケット打上げ支援などに対して1億円の助成を行うことを発表しています。それに伴い、地域活性化や宇宙技術の利用が進展することが期待されます。さらに、三井物産北海道支社と大樹町、SPACE COTANは包括連携協定を結び、様々な取り組みを進めています。
このように、北海道の大樹町が宇宙版シリコンバレーとしての道を切り開くことで、地域の力が高まると同時に、全国的な注目を集める存在となることでしょう。これからの進展が非常に楽しみです。