旭川赤十字病院で生成AI活用の音声認識実験が開始!医療現場の新たな風
オープン株式会社は、アマゾンウェブサービスジャパン(AWSジャパン)と共同で、旭川赤十字病院において生成AIを用いた音声データ認識の実証実験を開始しました。この実験では、インフォームド・コンセント(IC)やカンファレンスの議事録が自動で生成されるプロセスを検証します。
1. 実証実験の背景と目的
旭川赤十字病院では、業務効率化に向けてオープンが提供するRPAツール「BizRobo!」を導入し、すでに一定の効果を上げています。しかし、医師の働き方改革や高齢化、労働人口の減少に伴う医療体制のひっ迫など、現場では新たな改革が求められています。これを受け、本実験では医療DXを実現し、高品質な医療提供を目指すため、生成AIの導入を決定しました。
2. 実証実験の概要
この実験は、以下の流れで進行します。まず、旭川赤十字病院で日常的に行われる音声データ(ICやカンファレンス)の録音が行われます。その後、これらの音声データは「BizRobo!」により収集され、AWSジャパンの「Amazon Transcribe」および「Amazon Bedrock」と連携されます。
- - 音声データの文字起こし: 「Amazon Transcribe」が音声をテキストに変換します。
- - 自動生成: 変換された情報を「Amazon Bedrock」が分析し、適切な書式で議事録を作成します。
このプロセスにより、議事録の作成における負担を軽減し、高品質な医療を支えることを目的としています。
3. 実験の効果検証
実証実験の結果は、次の3つの指標を基に検証が行われます。
- - クオリティの担保: 正確な情報引用と適切な文法、業務で求められる議事録の形式が守られているか。
- - 業務削減効果: 従来の方法と比較し、議事録作成に関わる時間の短縮度合い。
- - 働き方改革への寄与: 院内スタッフの残業削減やタスクのシフトにどの程度貢献できるか。
これらを元に実際の効果を分析する働きが行われており、初期の結果では、議事録作成が30~60%の時間削減を実現できるとのことです。
4. 今後の展望
オープン株式会社では、AIを活用した業務改善をさらに進め、今後は退院サマリや看護サマリ、診療情報提供書の自動作成などにも挑戦する方針です。また、技術支援により、地域の医療提供体制の向上にも寄与したいと考えています。
本実証実験は、先進的なテクノロジーを通じて医療の質を向上させる大きな一歩であり、旭川赤十字病院の取り組みが全国に広がることを期待しています。