北海道の大自然で育まれたエゾシカの鹿肉を使った、新しいカレーのプロジェクトが進行中です。2025年12月16日(火)から、北海道上川郡新得町で作られた鹿肉を使用した「鹿肉カレー」が、株式会社JR東日本クロスステーションの店舗で販売を開始します。このカレーに使われる鹿肉は、狩猟を通じて持続可能な方法で捕獲され、加工されたものです。具体的には、鹿肉の捕獲や加工を行っている古川建設株式会社のドリームヒル・トムラウシ事業所で生産されたものです。
地域活性化の一環としての動き
北海道は全国でも特に大自然が残る地域であり、その中には多くの野生動物が生息しています。しかし、エゾシカが増えすぎることで農作物への被害が発生している現状があります。この現象は全国的にも問題視されており、北海道新得町でも同様の課題が存在しています。
そこで、JR東日本クロスステーションは、地域の課題解決に寄与する形で、鹿肉を活用した食材としてカレーを開発しました。販売目標数として約15,000食を設定しており、なくなり次第終了となる予定です。また、新得町の交流センター「とくとく」でも販売される予定がありますが、詳細はまだ未定です。
鹿肉の魅力と健康面での利点
鹿肉は低カロリー、高タンパク質でありながら、鉄分などの栄養素が豊富です。特にエゾシカ肉は、他の肉類に比べてヘム鉄成分が多く含まれており、貧血や冷え性の予防に役立つとされています。さらに、ジビエ特有の濃厚な旨味は、一度食べたら忘れられない味。そして、鹿肉を使用した料理は、地域の美味しさを伝える大切なメッセージとなるのです。
日本初のジビエプロジェクト
JR東日本クロスステーションでは、16年前からジビエメニューの開発に取り組んできました。過去には信州食材を用いたメニューやカレーを展開し、皆様からの支持を得てきました。この取り組みは日本の野生動物肉を持続可能に利用するための革新的な試みです。
特に、野生鳥獣による農作物への影響が大きく、捕獲した鹿を利用することで農業被害の軽減にもつながると期待されています。具体的には、2010年度には239億円の被害があったことが報告されており、2023年度には164億円に減少しましたが、依然として危機は続いています。
持続可能な未来に向けて
この「鹿肉カレー」の販売は単なる商品提供ではなく、地域の課題と食文化の継続、そして持続可能な未来への一歩を示すものです。ジビエを美味しく食べてもらうことで、地域活性化や環境保全に寄与することを目指します。この地方の魅力を再発見し、多くの方々に伝えていく取り組みとしての「鹿肉カレー」。是非、楽しみにしていてください。