企業が知っておくべき排出量取引制度の全貌と対応策

2026年9月から義務化が予定される排出量取引制度（GX-ETS）に関する無料のオンラインセミナーが、株式会社エスプールブルードットグリーンによって開催されました。今回は、このセミナーで紹介された内容や、企業がどう対応すべきかを詳しく解説します。

排出量取引制度とは？

この制度は、企業や団体が排出できる温室効果ガスの上限（キャップ）を設定し、その枠を取引する仕組みです。これにより、企業は排出削減のインセンティブを持ち、カーボンニュートラルを目指すことが求められています。日本でもこの制度の義務化が近づいており、多くの企業がその実施に向けて準備を進めています。

企業が取り組むべき3ステップ

セミナーでは、企業がこの制度にどのように準備を進めるべきかが具体的に提案されました。
1. 自社の排出量の把握
まず、企業は自社のCO₂排出量を正確に把握する必要があります。特に、対象となるのは年間排出量が10万トン以上の企業です。この数値をしっかり把握した上で、適切な削減計画を策定することが次のステップとなります。

2. 移行計画の策定
次に、「移行計画」の策定が求められます。この計画には、今後の排出削減の目標値や、その達成に向けた具体的な手法が含まれるべきです。また、経済産業省によって設定される各企業への排出枠の割当量や保証水準についても予め検討しておく必要があります。

3. 排出枠の保有
最後に、コンプライアンスのために排出枠を保有することが必須です。これには、既存の排出枠が自社に適用されるか、または新たに購入する必要があるかを検討することが含まれます。