「世界一大きな絵」公開記念特別授業
2025年11月21日、北海道・安平町において、13,200㎡という世界最大級の絵画が公開されます。その名も「世界一大きな絵」。これを制作したのは、双杉旬太郎氏。彼のシンプルな思い、「大きな絵を描きたい」という欲望からこの壮大なプロジェクトはスタートしました。
幻想と現実の狭間での挑戦
双杉の手によって生み出されたこのアートは、約1,500枚のベッドシーツを丹念に縫い合わせて作られたキャンバス上に描かれています。作品の制作には、構想から完成までおよそ1年半がかかり、300時間に及ぶ縫製作業が施されています。このキャンバスの上で、1日4~6時間の描画を約30日にわたって続けた結果、ペンキを約100リットル使用して完成したというのです。
作品の面積は13,200㎡、これはテニスコート約50面分に相当し、現在のギネス世界記録の12,303㎡を900㎡も上回る驚異的なスケールです。遠くから眺めると、その大きさに圧倒され、近づけば布の継ぎ目や細部の描写を楽しむことができ、観覧者は異なる視点で作品を体感します。
制作者の思いを描く
この作品には、双杉が「世界一大きな絵を描こう」と決意した時の思い出が描かれています。構想から完成まで数々の出会いやインスピレーションを受け、その体験が作品に昇華されています。表現そのものは、素朴でありながら力強く、まるで子どもが日々の体験を描く「絵日記」のような印象を与えます。双杉は、北海道の自然や動物たちからインスパイアを受け、作品に込めたモチーフは多彩で、観る者に壮大なストーリーを伝えます。
教育とアートの融合
そして、この「世界一大きな絵」を舞台にして特別授業が行われる日、北海道追分高等学校の生徒たちは、アートと教育が融合した前例のない体験をします。この特別授業は、双杉が同校の探究学習の一環としてアートを用いた教育を行ってきた背景から作られたものです。
生徒たちは、普段とは違った環境、つまり約13,200㎡のキャンバスの中で授業を受けます。この体験は、アートが教育の一環として生徒たちに新たな気づきをもたらし、自己の可能性を探究する機会となります。授業のテーマは「自己の可能性を探究する」であり、このアート体験を通じて生徒たちは新たな視点を得られるでしょう。
双杉旬太郎について
双杉旬太郎は1997年生まれ。大学卒業後、企業に勤めるも、自らの道を追求すべくフリーランスのアーティストとして活動を開始しました。彼は壁画制作や個展などを行い、独自のスタイルを形成しています。2024年4月から安平町に拠点を移し、「世界一大きな絵」の制作へと本格的に乗り出しました。彼の創作の原点には、純粋な好奇心やワクワク感があり、その衝動がアートに反映されています。
まとめ
「世界一大きな絵」というこのプロジェクトは、ただのアート作品ではなく、生徒たちがアートを通じて得る多くの学びを提供する特別な機会です。非日常の中での体験を通じて、生徒たちが新たな視点を磨くことに期待が高まります。美しく、そして独自の物語を持つこの作品が、未来のアート教育にどのような影響を与えるのか、目が離せません。