SPACE COTAN、宇宙戦略基金に採択され新たな技術開発を始動
北海道大樹町に本拠を置くSPACE COTAN株式会社は、宇宙戦略基金の技術開発テーマとして「将来輸送に向けた地上系基盤技術: 打上げ高頻度化等を実現する地上系基盤技術開発」に採択されました。この基金を活用し、商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」のさらなる成長と複数のロケットを高頻度で打上げるための基盤技術を開発することを目指します。
目指す高頻度打上げと技術開発の内容
SPACE COTANは、次世代の射場を実現するため、地上系とロケット間のインターフェース共通化、極低温推進薬の管理技術、共通無線技術、さらには気象環境を高精度に予測する技術を開発します。この技術の進化は、日本の宇宙産業の発展に寄与するものと期待されており、2030年代前半までに年間30回のロケット打上げを実現することがKPIに設定されています。
連携機関の取り組み
SPACE COTANは、技術開発にあたり複数の連携機関と共に取り組みを進めています。具体的には、株式会社岩谷技研、NECネッツエスアイ株式会社、株式会社応用気象エンジニアリング、清水建設株式会社、そして室蘭工業大学と共同で技術開発を進める計画です。これにより、各機関の専門知識を生かして、より高い品質の基盤技術を築くことが可能になります。
各連携機関の役割
- - 株式会社岩谷技研は成層圏関連の技術を活かし、宇宙関連技術の開発を行います。
- - NECネッツエスアイは通信技術を中心に、射場の通信インフラを提供することが期待されています。
- - 株式会社応用気象エンジニアリングは、長年の経験を元に、気象の変動を予測し、打上げの成功を支える技術を提供します。
- - 清水建設は、安全かつ効率的な射場開発のために、建設技術を提供します。
- - 室蘭工業大学は、学術的なアプローチからの支援を行います。
宇宙産業における期待と今後の展望
SPACE COTANは、今後の技術開発を通じて国の打上げ能力の向上を目指し、さらには宇宙産業全体の発展に寄与する役割を果たします。この取り組みは、国際的な宇宙ビジネスの中心となるべく、地域の活性化にも繋がります。また、HOSPOの成功が、大樹町を宇宙版シリコンバレーとして発展させるための重要なカギを握っているのです。
大樹町もこのプロジェクトに対し、強い期待を寄せています。町の長は、SPACE COTANの採択によって地域の宇宙関連事業が加速し、町全体が豊かになることを願っています。
今後、SPACE COTANはこの新たな挑戦を通じて、多様な打上げニーズに応えることができる射場技術を開発し、宇宙産業の一端を担う存在として成長していくことが期待されています。