新卒エンジニア育成におけるソフトスキル不足の実態と課題
IT企業における新卒エンジニアの育成は、近年ますます注目を集めています。株式会社リアセックが実施した調査によると、新卒エンジニアの育成には専門的な技術スキルと、チームでの協働を促進するためのソフトスキルの両方が求められています。しかし、現実には多くの企業でソフトスキル不足が課題として浮かび上がっています。
調査の概要
株式会社リアセックは2025年11月に、新卒エンジニアの育成に携わる人事担当者と現場マネージャーを対象に調査を実施しました。調査の目的は、新卒エンジニアの育成に関する実態を把握し、彼らの育成における課題を明らかにすることです。調査には863人が参加し、具体的な育成のあり方や課題についてのデータが収集されました。
研修の現状と課題
調査結果では、約90%の人事担当者と現場マネージャーが新卒エンジニア向けの初期研修は、「技術スキル中心の集合型研修」が主流であると述べています。この形式の研修は、受講者の約80%が「実務で役立っている」と評価する一方で、配属後の新卒エンジニアに対しては、約90%が「主体性や協調性に課題がある」と感じています。これは、単なる技術の習得ではなく、チームワークを築くためのコミュニケーション能力やリーダーシップが不足していることを示しています。
ソフトスキル育成へのニーズ
最も重視されるスキルとして「チームで協力する力」が挙げられていますが、約40%がこのスキルが不足していると回答しています。これは、現在の研修が技術に偏重しがちなためと考えられます。また、約9割の参加者が「人事が現場を支援する体制が必要」であるとも強調しています。つまり、現場だけでは新卒エンジニアを適切に育成するのが難しい状況があるのです。
調査結果によれば、ソフトスキルの育成を重視すべきと考える声が多く、新卒エンジニアの育成には、技術だけでなく人間的な成長支援が求められています。これにより、現場のコミュニケーションが円滑になり、成果を高めることが可能になります。
現状を改善するための提案
研修内容に対する満足度は高いものの、現場で求められるソフトスキルの不足が大きな課題です。この状況を改善するためには、OJTだけでなく、構造的な育成支援体制が必要です。具体的には、日常業務を活用した実践の場を設け、ソフトスキルを継続的に培うことが求められます。ここで重要なことは、社員自身が学びたいスキルを選べるパーソナライズされた育成方法が有効です。
さらに、研修の評価を定量化し、どのスキルが習得できているのかを明確にする仕組みを導入することで、育成の質が向上するでしょう。これにより、現場のニーズに合った育成が可能となり、一人ひとりの成長を可視化することができます。
まとめ
IT企業の新卒エンジニア育成におけるソフトスキル不足は、共通の課題であることが調査により明らかとなりました。今後の育成方針は、技術力と人間力の両立を目指し、チームでの協力やコミュニケーション力を重視した研修の拡充が鍵となるでしょう。人事と現場が連携し、若手社員の成長を支援する体制を確立することが、新卒エンジニアの活躍を促進するために不可欠となります。これからのIT業界においては、技術とソフトスキルの両立を実現する「共育」の時代が求められているのです。