自転車利用者の意識と運転実態を探る2025年調査結果
2025年8月に、MS&ADインターリスク総研株式会社によって実施された自転車運転に関する調査結果が発表されました。このアンケートでは全国の1,000人を対象に、自転車利用者の意識や運転実態が明らかにされました。以下にその主要なポイントをまとめます。
1. 自転車の交通ルール遵守意識
調査では、回答者の約83%が「周囲と比べて交通ルールを守っている」と感じていることがわかりました。これは多くの利用者がルールを意識していることを示していますが、実際の運転実態とのギャップも見逃せません。
2. 歩道通行の実態
実に69.2%の回答者が、過去6か月間に歩道を通行した経験があると回答しました。その中で、「問題ない」と感じている人は19.2%、一方で73.7%は何らかの問題があると認識していました。この結果は、自転車の歩道通行が依然として多くの利用者によって行われていることを示唆しています。
3. 「ながらスマホ」の影響
さらに驚くべきことに、回答者の約15.1%が「ながらスマホ」で運転した経験があると告白しています。そのうちの84.1%は問題があると認識しているものの、実際に行動に移すことができない状態にあると言えます。特に40代男性の利用者が多く、この傾向がより深刻化していることがわかります。
4. 交通違反通告制度の認知
2026年4月から新設される交通違反通告制度(青切符)について、約35.1%の回答者が「知らない」または「よく知らない」と回答しており、この新制度に対する認識の低さが浮き彫りになりました。自転車利用者が新しい制度にどの程度適応するかは今後注目に値します。
5. 自転車損害賠償保険の加入状況
最後に、自転車損害賠償保険の加入状況についても重要な結果が出ました。58.1%の回答者が保険に加入している一方、26.1%が未加入であることが確認されました。このことから、多くの利用者が自分自身を守るための対策をとっていない可能性があることがわかります。
この調査結果を踏まえ、自転車利用者は今一度自分の運転態度や周囲の安全について考え直す必要があるでしょう。また、今後も交通ルールの確実な遵守が求められたり、保険加入の促進が必要だと感じさせられる結果となりました。今後の自転車利用の安全性向上に向けた取り組みが期待されます。