小清水町「ワタシノ」で初の全館停電防災訓練が行われる
2025年1月26日(日)、北海道小清水町にある防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」で、初となる全館停電を伴う防災訓練が実施されます。この訓練は、フェーズフリー認証を受けた役場併設の複合禁止機能施設での防災訓練として、全国初の試みとなります。
「ワタシノ」の意義
「ワタシノ」は、日常時と災害時の居場所づくりを通じて、地域の活性化と持続可能なまちづくりを目指しています。2018年の北海道胆振東部地震を受けて、安全で安心な地域作りが求められ、この複合施設が設立されました。ここは、コミュニティスペース、カフェ、ランドリー、フィットネスジムなどの機能を備え、災害時には避難所としての役割も果たします。
訓練の目的と内容
本訓練では、全館停電を実施し、停電時の運営方法や初動対応、避難者のストレス軽減のための機能性を検証します。訓練では以下の内容が行われる予定です:
1.
停電時運営訓練(8:00 - 9:00)
施設の電源を断ち、非常用発電機を用いて運営する訓練です。これは停電時における具体的な運営手法を確認するための重要なステップです。
2.
自主避難訓練(9:00 - 9:40)
住民が自宅から「ワタシノ」へ避難する訓練を行います。自主防災組織との連携による避難訓練で、実際の避難をシミュレーションします。
3.
一時避難所活用法の説明(9:55 - 10:30)
避難者に対して、施設の利用方法や避難所としての機能を説明します。これにより、いざという時にスムーズな運営が行えるようにします。
4.
施設火災による避難訓練(10:30 - 10:55)
火災を想定し、参加者は避難する練習を行います。町民への誘導や負傷者の支援を通じ、コミュニティの連携が試されます。
5.
炊き出し訓練(10:55 - 11:20)
NPO法人による簡易炊き出しの実施を通じ、給食の方法や必要な物資の扱いについて確認します。
地域連携の重要性
「ワタシノ」は、施設利用者と役場職員、町民同士の交流の場を提供しています。オープン以来、利用者数はオープン前の25倍に増加し、地域においてコミュニティのつながりが強まっています。この防災訓練を通じて、地域での共助文化も育まれていくことでしょう。
フェーズフリーの考え方
「フェーズフリー」とは、日常と非常時を問わず役立つ施設作りを目指す考え方です。「ワタシノ」では、日常的に利用されるカフェやランドリーが、災害時には避難者を支える設備へと変わります。住民が安心して生活するための取り組みとして、地域から地域へ、そして人から人へのつながりを強化することが求められています。
まとめ
この訓練が成功裏に終わることによって、小清水町は災害に強いまちづくりに一歩近づくことでしょう。地域の防災力を高め、日常から支え合える関係を築くための重要な機会となることでしょう。参加者によるフィードバックをもとに、さらなる改善が図られることも期待されています。
ぜひこの機会に、防災や地域コミュニティについて考えてみてはいかがでしょうか。