新たな時代の幕開けを告げるプロジェクト
日本の宿泊業界がきびしい人材不足に直面している中、デジタルトランスフォーメーション(DX)が重要性を増しています。そんな中、北海道北広島市に本社を置く株式会社SQUEEZEと、東京都千代田区を拠点とする株式会社ミナシアが手を組みました。両社は、ミナシアが運営する全国のホテルウィングインターナショナルの約40施設に、SQUEEZEが開発したクラウド型オペレーションプラットフォーム「suitebook」を導入することを発表しました。
プラットフォーム「suitebook」の概要
「suitebook」は、従来のプロパティマネジメントシステム(PMS)の枠を超え、ホテル経営に必要なさまざまな業務を一元管理できる次世代型の運用基盤です。このシステムにより、予約管理や売上の把握、顧客対応など、これまでの煩雑な業務が容易に行えるようになります。
特に注目すべきは、単なるシステム導入にとどまらず、現場の業務プロセスを見直し、効率化を図る点です。これにより、スタッフは人にしかできないサービスや業務に集中でき、より高いクオリティのサービス提供が可能になります。
導入スケジュールと支援内容
今回の導入は2024年の7月から2025年の4月の約10ヶ月間で全施設に切り替えが行われる予定です。この間に、課題抽出からシステム提案、導入後の運用支援を通じて長期的な定着を図ります。
日本の宿泊業界の現状と課題
しかし、日本の宿泊業界はテクノロジー導入が遅れている現状にあります。独立行政法人情報処理推進機構の調査によると、宿泊業・飲食業のDX取組率は20%未満であり、今後もDXに取り組む予定がない企業が41.1%に上ることが分かっています。これが慢性的な人材不足につながり、業務の効率化を妨げている要因の一つです。
«suitebook»の導入による効果
SQUEEZEが提供する「suitebook」は、ホテル管理業務を支えるために設計されており、以下のような主な機能と効果があります。
- - スマートチェックイン:ゲストのチェックインを迅速に行える環境を提供。
- - リアルタイムデータ可視化:売上や稼働率の状況を即座に把握でき、データドリブンな意思決定を可能にします。
- - マーケティング業務の省力化:労力をかけずに戦略的なマーケティングを実施できます。
- - バックオフィスの自動化:帳票作成や請求業務を自動化することで、生産性が大幅に向上します。
これらの機能により、業務の効率化に貢献しながら、一定以上のサービス品質を確保する体制が整います。実際、導入後の社内アンケートでは、90%以上のスタッフが業務改善を感じているとの結果が出ています。
両社代表のコメント
ミナシアの代表取締役 下嶋一義氏は、今回のPMS変更が現場にとって使いやすいシステム選びに重きを置いたことが、早期の業務習得を可能にし、客対応の質を高めることに寄与していると述べています。また、SQUEEZEの舘林真一氏は、単なるシステムベンダーではなく、現場の声を大切にしながら新しいテクノロジーの導入を進めていく姿勢を強調しています。
まとめ
このように、SQUEEZEとミナシアによる新たな取り組みは、宿泊業界において持続可能な未来を築くための重要な第一歩と言えるでしょう。今後、このプロジェクトがどのように進展し、業界全体に与える影響が期待されます。