今、薬局が変わる時代が来ている
最近、株式会社Reviewが発表した「全国薬局開業レポート ver.1」によると、2025年の上半期における全国の薬局開業数は1,254件となり、都市部では医療モールや再開発エリアでの新規開業が増加しています。このデータは、薬局業界の進化を物語っており、特に電子処方箋の導入やオンライン服薬指導など、デジタル技術を活用した「スマート薬局」が急速に増えていることが示されています。
新たに開業した薬局の動向
2025年1月から6月までの期間に開業した薬局は、都市部での新たな医療施設の設立が影響しており、東京都、大阪府、愛知県などの人口密集地で特に多く見られます。例えば、東京都では163件の新規開業があり、医療モールや駅近のテナントスペースに次世代型の薬局が続々と登場しています。また、大阪府では万博関連の開発が影響し、健康相談や在宅医療支援を統合した「スマート薬局」が増加しています。
地域の変化と高齢化への対応
一方で、郊外や地方エリアに目を向けると、高齢化や在宅医療ニーズの高まりが背景にあり、地域密着型の薬局の開業が続いています。訪問薬剤管理を強化し、医療と生活支援の橋渡しを担う薬局が急増しており、地域包括ケアの重要な役割を果たすようになっています。
医療DXの進展
また、電子処方箋の導入率が全国でおよそ8割に達している現状も注目です。厚生労働省の発表によれば、薬局は単なる調剤の場から、地域の健康を支えるハブへと進化しつつあります。これにより、薬局は医療だけでなく、介護や生活支援をともに行う多機能な拠点としての役割が求められています。
次世代薬局への期待
次世代の薬局モデルとして求められるのは、以下の3つの力です。
1.
医療連携力:医師や病院、介護施設との連携を強化し、地域全体での健康支援を実現。
2.
在宅支援力:訪問薬剤管理を通じて高齢者や障害者を支え、在宅医療をサポート。
3.
デジタル対応力:電子処方箋やオンライン診療、AI活用による効率的な運営。
これらの力を持つ「スマート薬局」が、医療DXと地域包括ケアの両方を実現するモデルとして注目を集めています。
開業推移から見える未来の姿
さらに、開業数の推移からは、量から質への転換が明確になっています。2022年から薬局開業数は減少傾向にありますが、これは単なる開業離れではなく、業態の再編成を示しています。これまでの調剤機能に加え、健康相談やデータ共有の機能を備えた新しい形の薬局が増えており、