宇宙の未来を地元北海道から支える
2025年1月、北海道以南の大樹町にある民間商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」は、宇宙戦略基金事業に採択され、ロケット打上げの高頻度化に向けた基盤技術の開発を進めています。これにより、我々は未来の宇宙産業を担う重要なピースとなるべく力を注いでいます。
四半期進捗報告会の開催
2025年11月20日、HOSPOの進捗状況を関係者に報告する会議が大樹町経済センターで開催されました。この場では、SPACE COTAN社の研究者や各プロジェクトマネージャーが、システム全体の状況やサブシステムの仕様、検証計画について発表しました。これに対して、プログラムオフィサーや補佐からは鋭い質問やコメントが寄せられ、活発な議論が交わされました。今後は、定めた仕様に基づいて設計と部品調達を進める段階へと移行していきます。
新たな観測技術の開始
重要な技術課題の一つ、気象環境予測に関しても新たな進展があります。11月より、大樹町内に約30mの高さを持つ風況観測塔を設置し、様々な気象要素の観測を開始しました。このデータは、今後の技術開発に活用される見通しです。
合宿による技術力の向上
連携機関である岩谷技研やNECネッツエスアイと共に、共通無線システムの仕様制定を目指した合宿も実施しました。初回の合宿では、ロケット打上げに関する運用プロセスを徹底的に検討し、整理された仕様は次の合宿で更に精査されました。これにより、連携機関同士の情報共有や認識の統一も図られています。
国際交流の拡大
さらに、10月27日には東京で行われた日米宇宙産業ラウンドテーブルに小田切社長が参加し、HOSPOの進捗とその可能性をアピールしました。米国フロリダ州は、NASAのケネディ宇宙センターを擁する宇宙産業の中心地であり、今後、SPACE COTANはフロリダ州との人材交流の拡大を目指します。
新たな情報発信の場
最近、SPACE COTANは宇宙戦略基金事業の取り組みを広く紹介するランディングページを開設しました。このページでは、技術開発の詳細や進捗状況を簡潔に確認できます。興味のある方は、ぜひ訪れてみてください(
宇宙戦略基金事業LPはこちら)。
HOSPOの概要と目指す未来
HOSPOは2021年に本格運用を開始し、民間向けに宇宙関連ビジネスが広がる場として多くの可能性を秘めています。大樹町は地理的に優れた条件を持ち、今後、地区全体を「宇宙版シリコンバレー」として発展させるビジョンを掲げています。また、特殊な打上場を必要とするロケットの発射も視野に入れ、大型の打上スペースの整備が進められています。
HOSPOの活動は、地域の活性化のみならず、全世界での宇宙産業の発展にも寄与しています。今後のさらなる進展にご期待ください。