八尾市の錦城護謨、知財功労賞を受賞
大阪府八尾市に本社を置く錦城護謨株式会社が、経済産業省特許庁主催の「令和7年度 知財功労賞」において、特許庁長官表彰(デザイン経営企業)を受賞しました。この受賞は、同社のデザイン経営に対する取り組みや地域経済への寄与が評価された結果です。授賞式は2025年4月18日(金)に行われ、内閣総理大臣の石破茂氏も出席しました。
錦城護謨の求めるデザイン経営
代表取締役社長の太田泰造氏は、受賞に際して次のようにコメントしています。「当社は、デザイン経営を組織のマネジメントやインナーブランディングを目的に取り組んできました。特に重要なのは、私たちが製造するゴム部品の技術を内側から外へと広げ、デザインと結びつけることで独自性を持たせることです。」これは特に中小企業においては実践が難しいことですが、現場での取り組みが結果的に成功につながったと語りました。
「私たちの創造的な製品は、技術の最高峰を見せるものではなく、まずは社員や製造現場に目を向け、そこで得た知見をデザインへと昇華させた結果です」とも述べ、社員一人ひとりの努力と技術力が基盤であると強調しました。
知財功労賞の意義
知財功労賞は、知的財産権の発展及び普及において顕著な功績を挙げた企業や個人に贈られる賞です。経済産業大臣表彰や農林水産大臣表彰、大阪・関西万博特別賞などが含まれ、それぞれの分野での優れた取り組みが評価されています。今回、八尾市の錦城護謨をはじめ、5社が受賞しました。
社会貢献を目指す取り組み
錦城護謨は「世の中の当たり前を変える」という企業理念を掲げています。具体的には、自社ブランド「KINJO JAPAN」を通じて、技術力と社会貢献を結びつけ、ユニバーサルデザインを採用した製品を開発しています。
その一例が視覚障害者向けの歩行誘導マット「歩導くん ガイドウェイ」です。この製品は、凹凸のない表面や滑らかな傾斜を設計し、視覚障害者をはじめとするすべての人が利用できる配慮が施されています。2015年の登場以来、1200か所以上に導入され、その革新性が高く評価されています。
バリアフリーへの貢献
さらに、錦城護謨は2007年にバリアフリー推進課を設立し、視覚障害者の移動をサポートする製品の開発に取り組んできました。今回の受賞によって、今後も社会にさらに普及し、これからも多くの人々に喜ばれる製品を提供し続けられることが期待されています。
会社概要
創業89年の錦城護謨は、家電製品のゴム部品製造で国内トップシェアを誇り、2025年の大阪・関西万博における地盤改良工事など、多岐にわたる分野で事業を展開しています。特に、福祉関連の製品開発や、割れないグラスの製造において独自のデザイン性を追求するなど、時代のニーズに応える企業です。これからも、地域社会に根ざした企業としての活動が期待されます。
【公式ウェブサイト】
錦城護謨株式会社