脱脂粉乳を活用したユニフォームで持続可能な食文化に寄与するメリメロの挑戦
北海道札幌市のミシュラン一つ星フレンチレストラン「méli mélo」(メリメロ)が、株式会社Blueprint one(ブループリントワン)のライフスタイルブランド「moment of MILK」との新たなコラボレーションを発表しました。脱脂粉乳を繊維にアップサイクルしたTシャツが、お店のサブユニフォームに採用されるというこの取り組みは、食と環境を結ぶ新しい形として注目されています。
コラボレーションの背景とは
日本の酪農業界では、バターの製造過程で大量の脱脂粉乳が副産物として生じています。しかし、脱脂粉乳の利用は進まず、在庫が積み上がる一方です。これに対し、メリメロの佐藤オーナーシェフとブループリントワンの鈴木代表は、「食」を通じて酪農業界の課題にアプローチし、持続可能な社会を構築することを目指しました。
脱脂粉乳とバターの関係
バターの需要が高まるにつれて、必然的に生成される脱脂粉乳も増加します。実際、バターを1単位製造するためには、約2単位の脱脂粉乳が生まれると言われています。この現象は、乳業界全体のバランスにも影響を与えており、消費が追いつかない脱脂粉乳は在庫過多となり、酪農の持続可能性を脅かす要因となります。この問題を解決するため、メリメロは「脱脂粉乳をどう使うか」を真剣に考える時代の到来を実感しています。
脱脂粉乳の新しい活用法
メリメロの佐藤シェフは、ユニフォームが脱脂粉乳由来の繊維で作られていることを通じて、顧客とのコミュニケーションの一助になると考えています。脱脂粉乳を取り巻く現状やその重要性を飲食の現場から発信し、食文化へとつなげていく試みがこのコラボレーションの重要な側面です。철
経済的・環境的メリット
このユニフォームには撥水効果があり、汚れを落としやすくするため、飲食店にとって従来のユニフォームよりもコスト削減に寄与します。水道代や洗剤代の削減はもちろん、繊維が長持ちするために買い替えコストも低減します。さらに、洗濯回数が減ることで環境への負荷を軽減し、フードロスを削減する効果も期待されます。
今後の展開
ブループリントワンでは、このユニフォームの採用を足がかりに、さらなる飲食業界とのコラボレーションを計画しています。今後、コックコートやテーブルクロスなど、より多様なアイテムへの展開を見込んでいます。
メリメロとブループリントワンの想い
「méli mélo」の佐藤シェフは、食卓に豊かさをもたらすために、厳選した食材を用いた創造的な料理を提供しています。脱脂粉乳由来のユニフォーム導入を通して、持続可能な食文化の未来へともに歩んでいきたいと思っています。ブループリントワンもまた、社会課題に寄り添う企業として、今後も新たな挑戦を続けていくことでしょう。
この試みが成功することで、脱脂粉乳が一層有効利用され、酪農業界が持続可能な形で成長していくことが期待されます。スタイリッシュで機能的なユニフォームが、飲食サービスの現場に新しい風をもたらすことは間違いありません。