Space Cubicsがカイロスロケットによる打上げ契約を締結
近年、宇宙産業の発展著しい中、北海道札幌市に拠点を置く株式会社Space Cubicsが新たな一歩を踏み出しました。この企業は、スペースワン株式会社が開発した小型衛星打上げ用ロケット「カイロス」3号機との間で、打上げ輸送サービス契約を結びました。これにより、同社が開発した小型衛星「SC-Sat1a」を宇宙に送り出す計画が具体化しています。
SC-Sat1aとその特徴
SC-Sat1aは3Uサイズのキューブサットで、Space Cubicsが自社開発した超小型衛星です。この衛星には、「SC-OBC Module A1」と呼ばれる宇宙用コンピュータが2台搭載されます。 SC-OBC Module A1は、国際宇宙ステーション(ISS)の開発経験を基に設計されたもので、Xilinx製Artix-7 FPGAを採用し、拡張性に優れているのが特徴です。このコンピュータは、宇宙環境での耐障害性(fault tolerance)と信頼性を実証するためのミッションで、長期の軌道運用を実施します。
高い信頼性と耐障害性の実証
本ミッションの目的は、SC-OBC Module A1の耐放射線性能や冗長化設計、フェイルオーバー機構などの耐障害機能を検証することにあります。これにより、将来的にSC-OBC Module A1がキューブサット用コンピュータの標準として確立されることが期待されています。Space Cubicsは、2018年の設立以来、宇宙用コンピュータの開発・製造において成果を収めてきました。このミッションを通じて、同社の技術力をさらに強化し、宇宙市場においての競争力を高めていくことでしょう。
宇宙技術の未来を見据えて
Space Cubicsは、その材料としての先駆的な宇宙用コンピュータの開発に注力しており、これにより将来的な宇宙探査や人工衛星の技術革新に寄与することが目標です。打ち上げが成功すれば、そのフライトヘリテージ(宇宙実証経験)は、次世代の技術開発にとって非常に貴重なデータとなるでしょう。また、同社は宇宙関連事業の成長にも寄与し、札幌市における宇宙産業の振興を図っています。
会社概要
株式会社Space Cubicsは、北海道札幌市に本社を置くJAXA認定のベンチャー企業です。主に、宇宙用コンピュータの開発や製造・販売を行っており、近年の宇宙開発ブームにおいてその存在感が増しています。
【所在地】
北海道札幌市中央区南3条東2丁目1
【代表者】
荘司 靖
【設立】
2018年
【URL】
Space Cubics
まとめ
宇宙への挑戦は、今後ますます注目される分野です。Space Cubicsの取り組みは、宇宙産業の未来に向けた新たな扉を開くものと言えるでしょう。彼らのミッションが成功すれば、多くの未来のプロジェクトに影響を及ぼし、さらなる革新を導く結果になることが期待されています。