新造船「はまなす」が航海の歴史に新たな息吹を吹き込む
新日本海フェリー株式会社が、三菱重工業下関造船所にて新造船「はまなす」の命名進水式を行いました。この進水式は2023年10月9日に行われ、一般社団法人日本旅客船協会の船旅アンバサダー、小林希(のぞみ)様が支綱切断を執り行い、華やかに新たな船のスタートを飾りました。
「はまなす」は、1972年から活躍していた「フェリーはまなす」に続く歴代4代目の船名となり、北海道を代表する美しい花を冠したこの船は、2026年6月に舞鶴-小樽航路での就航を予定しています。その存在は、北海道の美しさと旅の魅力を広める象徴となるでしょう。
画期的な省エネ技術を搭載
本船は、最新鋭の省エネ船型「ダックテール」を搭載し、従来のフェリーと比較して約5%のエネルギー削減が実現可能です。また、アンチローリングタンクとフィンスタビライザーを併用した減揺システムにより、快適な航行が可能となっています。これにより、乗客は安定した船旅を楽しむことができます。
開放的で快適な船内空間
「はまなす」の船内は、3層吹き抜けのエントランスやシースルーエレベーターを完備し、非常に開放感にあふれています。船首には2層吹き抜けのフォワードサロンが設けられており、乗客は気持ちの良い風を感じながら、展望を楽しむことができます。
また、船に備わるレストランでは新鮮な料理を堪能しながら美しい海の景色も同時に楽しむことができます。最上階には日本海の風を感じる露天風呂があり、旅の疲れを癒すのに最適です。さらに、多目的ルームではさまざまなビジュアルコンテンツが楽しめ、艦内での時間をより豊かにします。
バリエーション豊かな船室
宿泊施設も充実しており、オーシャンビューの浴室を完備したスイートルームや、専用テラス付きのデラックスルーム、その他にも家族向けの和洋室やペット同伴可能な部屋まで多様な選択肢が用意されています。ツーリストクラスも十分なプライベート空間が確保されており、快適な睡眠環境が提供されています。
ツーリストクラスは、特に1人個室寝台が74名分、2段寝台が44名分準備されていて、誰もがゆったりとくつろぐことができるよう工夫されています。これにより、多彩なニーズに応える船旅が期待されます。
未来へと続く航路
新日本海フェリーは、既に存在する「けやき」と同じく姉妹船として位置づける新造船「はまなす」を発表しました。全長199mで、総トン数は約14,300トン。主機関は8,540kWを4基搭載し、航海速力は28.3ノット、最大でトラック150台と乗用車30台を積載することができるという機能性も魅力的です。さらに、旅客定員286名を収容可能で、旅の新たな視点を提供することが期待されています。
今後、舞鶴-小樽間の航路に新たな価値をもたらす「はまなす」。2026年の就航が待ち遠しいこの船の旅を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。美しい海景と快適な居住空間で、特別な思い出を作ることができるでしょう。