持続可能な物流を目指す丸吉ロジの挑戦
北海道北広島市に本社を置く「丸吉ロジ株式会社」は、物流業界が抱えるさまざまな課題に対処すべく、画期的な施策を導入しました。その一つが、国交省の労働時間規制を遵守しながらドライバーの年収を12%上昇させるという取り組みです。さらに、成長し続ける物流業界の未来を見据えた持続可能な実施計画が注目されています。
2024年問題とは?
2024年問題とは、国交省が発表した労働時間規制の見直しに伴い、ドライバーの年間拘束時間の上限が3300時間に引き上げられ、業界全体で適切な対策が講じられなければ、2030年までに国内の輸送能力が34%不足する可能性があるという危惧を指します。
この問題を解決するため、丸吉ロジは「アコーディオン幌シャーシの導入」と「丸吉ロジ ワンチーム方式の実施」という2つの施策を導入しました。
施策1:アコーディオン幌シャーシの導入
アコーディオン幌シャーシの導入により、ドライバーが荷物のシート掛け作業にかかる時間が大幅に短縮されました。従来は1~2時間かかっていた作業が、わずか30秒で済むようになりました。これにより、ドライバーは運転に集中でき、負担が軽減されたのです。また、アコーディオン幌シャーシの導入は、ドライバーにとっての体力的負担を軽減し、特に女性ドライバーにも利点があります。
社員の声として、「このシステムによって、シート掛けが楽になり、雨の日でも問題なく作業できるようになりました。納品時の手間も減って、大変助かっています。」といった意見が挙がっています。
施策2:丸吉ロジ ワンチーム方式の実施
次に導入されたのが「丸吉ロジ ワンチーム方式」です。この施策では、倉庫スタッフとドライバーが連携し、積み荷の準備を効率よく進めます。これにより、ドライバーの待ち時間が削減され、運転に専念できる時間が増えました。待機時間を減らすことで、収入向上も実現されています。
目指すべき持続可能な未来
丸吉ロジの代表取締役社長である吉谷隆昭氏は、「物流は社会を支える重要なインフラです。誰もが無理なく働ける人に優しい仕組みを実現することが我々の使命です。」と発言しています。このような施策は、労働環境の向上のみならず、社会全体にも広く良い影響を与えるでしょう。
As NIPPONの深井宣光氏も、「丸吉ロジの取り組みは、物流業界の労働環境を改善し、持続可能な社会に寄与する一つのモデルとして大きな意味を持つ」と評価しています。これは、今後さらに広がりを見せるであろう物流業界の新たなスタンダードになるかもしれません。
まとめ
丸吉ロジが取り組むこれらの施策は、持続可能な物流業界を構築するための重要なステップです。ドライバー年収の向上に加え、労働環境の改善が求められる中で、彼らの挑戦は業界の未来を明るく照らしています。高速道路や物流拠点で見かける「丸吉ロジ」のトラックが、これからどのように進化していくのか、目が離せません。