2024年の飲食店開業数を調査し見えた最新トレンドとは

2024年10月～12月の飲食店開業数が全国で16,044件に達し、前年同期に比べ微増となりました。株式会社Reviewが発表した「全国飲食店開業ランキングレポート ver4」によると、開業数は年末商戦やインバウンド需要の回復、観光・都市開発の影響を受けたと考えられますが、年間で見ると開業件数は減少しています。

開業事情の詳細

2023年の総開業数は65,020件であったのに対し、2024年は58,351件と、全体的な開業の鈍化が見受けられます。この現象は物価の高騰や人手不足、ゼロゼロ融資の返済開始など、いくつかの社会問題が影響を与えていると考えられます。

特に、北海道はインバウンド需要の復活や観光業の回復により、新しい飲食店が増加しており、297件の開業が見られました。これは高知県、新潟県、奈良県、山梨県と並んで最も顕著な増加を示しています。

開業トレンド

業種別には、飲み屋・居酒屋が1,103件でトップに立ち、バーが973件、カフェ・喫茶店は828件という結果となりました。しかし、注目すべきはカフェ・喫茶店業界で、前年比で約39%の大幅減少を記録しました。物価高騰や人手不足、価格転嫁の難しさがその要因として挙げられます。

一方で、個性的なカフェが注目を集めており、SNS映えするスイーツや地域コミュニティカフェも増加しています。つまり、ニーズの多様化は新たなチャンスを生んでいることも事実です。

地域別の特徴

この調査では、都道府県ごとの開業数も分析されています。例えば、高知県や奈良県では地域活性化のための施策が地域の飲食業界を支援している点が強調されており、自治体が行う補助金制度や空き店舗の活用によって、新たな開業が促進されています。

飲食業界の未来

飲食業界は常に進化を求められる場面にあります。便利さや効率だけではなく、地域の食文化や人とのつながりが求められる時代です。このような中では、個々のブランドが独自性を持ち、それを違った形で提供することがカギとなります。

業界全体が変化する中、これからの飲食店は「特別な時間」や「体験」を提供できる存在である必要があるでしょう。地域の特性を生かした飲食店や新たな業態に挑戦することが、今後の発展につながっていくことが期待されています。