北海道銀行が展開する、デジタルバンキングの新しい形とは?
金融業界はデジタル化が進む中、顧客サービスも進化を求められています。その中で、北海道銀行が新たに導入したのが株式会社HelpfeelのAIを活用した質問応答システムです。顧客サービスの向上と業務効率化をセットで推進するこの取り組みは、多くのユーザーから注目されています。
1. どうぎんアプリの利用増加とともに
北海道銀行の「どうぎんアプリ」は、55万人を超えるユーザーを抱える人気アプリに成長しました。アプリ内で提供される多様な機能の充実に伴い、顧客からの問い合わせが急増しました。特に、週明けや給料日の時期に電話が集中する傾向が見られ、コールセンターが対応しきれない状況が発生しました。このため、顧客が「何を知りたいか」を明確にさせることが課題となっていました。
2. 問い合わせの効率化を目指して
過去のFAQは、商品やサービスごとに分散していたため、ユーザーにとって必要な情報を見つけるのが容易ではありませんでした。この状況を打破するために、北海道銀行は自己解決が可能な環境を整えることに注力しました。その結果として、HelpfeelのAI-FAQを導入し、顧客がアプリ内で問題を自己解決できる仕組みが整いました。これにより、問い合わせが横ばいとなり、特に基本的な機能に関する電話は減少傾向にあります。
3. FAQの改善による顧客体験の向上
Helpfeel導入後、コールセンターはFAQ記事を見直す作業を始めました。オペレーターが自らの知識を活かし、約400の記事を改善しました。これにより、アプリの新規登録者数が増える中でも、自己解決が進み、顧客体験が向上しました。また、FAQの更新も即日反映できる体制が整い、迅速に顧客のニーズに応えられるようになっています。
4. ユーザーの検索意図を解析
FAQシステムのさらなる強化は、顧客の検索ログの解析からも始まりました。顧客が「残高照会」など、銀行が想定しなかった検索ワードで利用している実態が明らかになりました。この情報を基に、サービス内容やFAQの配置を顧客の視点に即して改善することが可能となりました。
5. 地銀AIコミュニティの参画による未来の展望
北海道銀行は、地方銀行としてAIの活用を進める「地銀AIコミュニティ」に参画し、業務変革や地域の活性化に取り組んでいます。このコミュニティの活動を通じて、地域内の他行とAI技術の知見を共有し、相互に学ぶことでさらなるサービス向上を目指しています。
まとめ
北海道銀行の取り組みは、自己解決型サービスの強化によって顧客体験を向上させるだけでなく、業務効率化も成し遂げています。今後も、テクノロジーを活用した進化が期待され、デジタルバンキングの未来を切り拓く一助となるでしょう。顧客と企業が共に成長する新しい時代が訪れています。