音更町が進めるデジタルトランスフォーメーションの一環
北海道の音更町では、業務効率化と住民へのサービス向上を目指して、エゾウィン株式会社の動態管理システム『レポサク』を使用した実証事業が始まります。本事業は2025年6月20日にスタートし、音更町が保有する公用車の運用管理をより効率的に行うことを目的としています。また、コミュニティバスのデータ分析を行うことで、住民サービスの質を高める試みでもあります。
この取り組みは、音更町が推進している地域全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として位置付けられています。2023年3月には、音更町と株式会社中央コンピューターサービスとの間で地域DXに向けた協定が締結され、その流れで実証事業が実現しました。農業分野での実績を活かし、行政サービスの分野でも変革をもたらすことを狙っています。
実証事業の目的と内容
この実証事業では、公用車をはじめとする計12台の車両が対象になります。実際には、7台の公用車、2台のコミュニティバス、2台のごみ収集車、1台の林道巡回車が運用される予定です。特に、コミュニティバスについては2025年3月から先行データを収集し、バス運行の時間や運行状況を詳細に分析します。
単なる車両の“見える化”にとどまらず、これらのデータを基礎としてEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)を推進します。この取り組みにより、将来的にはより良い都市計画や行政サービスが実施されることが期待されています。
各車両でのデータ活用と効果
公用車や委託車両に関しては、稼働の「見える化」を通じて業務の効率化を図ります。これまでは感覚的に運用されていた公用車の使用状況が、正確に記録されることで、日常の業務負担を軽減し、将来の車両の見直しや予算策定時の根拠として活用されることが期待されています。
コミュニティバスについては、準天頂衛星「みちびき」のCLASに対応した高精度の位置情報を用いて、運行データを詳細に収集します。そのデータをもとに、利用実績と照らし合わせて客観的な根拠に基づく路線の見直しやダイヤ改正が可能になります。さらに、実際の使用状況を把握することで、住民サービスの向上を図ります。
レンタサイクルに関しては、観光客がどのルートを好むかなどのデータを収集し、効果的な観光施策につなげる予定です。これにより、新たな観光ルートの開発や案内看板の設置などが行われ、地域振興も期待されています。
今後の展開と期待される成果
エゾウィン株式会社は、この実証事業を通じて、動態管理システムが地域の課題解決に寄与できることを証明したいと考えています。また、音更町及び中央コンピューターサービスとの緊密な連携を図り、プロジェクトの成功に向けて尽力します。この取り組みが、全国の自治体にとってデータ駆動型行政サービスのモデルケースとなり、広くデータ活用が推進されることを期待しています。
メディア掲載情報
この実証事業では、十勝毎日新聞にて、以下のように取り上げられています。
- - 掲載日: 2025年7月1日
- - 見出し: 公用車やコミバスの運行状況把握 音更町が「レポサク」活用し実証 業務効率化へ
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このように音更町での取り組みは、地域のデジタル化を進め、効率的で持続可能な行政サービスの提供に向けた新たな一歩となるでしょう。