HTBノンフィクション「生ききる」が遂に第31回PROGRESS賞を受賞!
                    
                    
                        
 HTBノンフィクション「生ききる」が第31回PROGRESS賞を受賞
今年の2月2日、HTB北海道テレビが制作したノンフィクション番組「生ききる~俳優と妻の夜想曲~」が、第31回PROGRESS賞の奨励賞を授与されました。この賞は、テレビ朝日系列の番組審議会委員によって選ばれる、放送番組の質向上を目指した非常に権威あるものです。放送局の制作力向上の努力を支持するために設立されたこの賞の名は、「PROGRESS」、すなわち進歩や成長を意味しています。
HTBの受賞は実に13年ぶりで、前回受賞したのは2012年の「先生、あのね…~詩集『サイロ』の50年~」以来です。この度の受賞作は、がんと闘う60歳の俳優・脚本家・斎藤歩さんの姿を追ったドキュメンタリーであり、彼が新たな舞台を作り上げるまでの過程を緊密に捉えています。夫婦がともにがんという大きな試練に向き合う様子は、多くの視聴者に深い感動と思索の機会を与えました。
10月30日に行われた表彰式では、沼田博光ディレクターが感謝の言葉を述べました。「このような栄えある賞をいただきありがとうございます」とし、審査員から多くの称賛を受けたことに喜びを表しました。特に、「重層的な構成である」や「自分ががんになった時、どう考えればよいかのヒントをもらった」との評価が印象に残ったようです。
 受賞作品のテーマと評価
この番組が特に高く評価された理由は、作品内に織り交ぜられた演劇の要素によるものです。劇中劇としての演技があり、それが番組全体のテーマを多層的に表現していると評判です。また、斎藤さんの「生ききる」という情熱が映像を通じてしっかりと伝わってくると、多くの視聴者が感じ取っています。がんは、現在2人に1人の割合で罹る病気とも言われており、視聴者自身にとっても他人事ではない問題として心に響く内容となっています。
さらに映像作品としての完成度も高く、多くの審査員がその評価を口にしています。「芝居の描写が続く中、結局何を伝えたかったのか?」という疑問を視聴者に投げかけつつ、演劇と迫る現実の交錯が「生ききる」とはどういうことかを静かに問いかけています。
 カメラの前での真実
夫婦の会話や空気感も印象的で、視聴者の心に静かな残像を残すものだったと、多くの視聴者が感動を語っています。この作品は、ただ「素晴らしい」とだけ言いたくなる唯一無二なものです。結末がわかっている中で、どのように生きるかを問われる内容は、観る者に深い思索を促してくれます。
HTBノンフィクション「生ききる」は、視聴者だけでなく、制作陣にとっても特別な意味を持つ作品ともなりました。彼らの鋭い視点と繊細な取材がこの感動作を生み出したのです。これからも多くの人に観ていただき、その深いメッセージが伝わることを願っています。