株主提案の背景としまむらの現状
株式会社しまむら(証券コード:8227)は、優れたビジネスモデルを持ち、競争が激しい小売業界においても堅調な成長を続けています。その背景には、強固な商品力と販売力、そして高いキャッシュフロー創出力があります。最近、カタリスト投資顧問株式会社が、投資信託を通じてしまむらに対する株主提案を行いました。この提案は、株式会社しまむらが2025年5月に開催する第72期定時株主総会において議題として取り上げられる予定です。
提案の内容
カタリスト投資顧問は、しまむらの経営陣との対話を基に、株主還元方針の強化を求めています。具体的には、配当性向60%に相当する配当金の支払いと、当期純利益の40%に相当する自己株式取得を提案しています。これは、しまむらが抱える手元資金の余剰を適正化し、株主への還元を充実させるためです。現状、しまむらは手元資金が売上高の5ヶ月分に達しており、560億円の余剰を抱えています。
経営判断と株主還元
しまむらの経営陣は、現金の保有水準について慎重な判断を下しています。2024年5月には、DOE(株主資本配当率)を5.0%に設定したという過去の提案が引き合いに出され、現在もDOEの引き上げについての対話が続いていることからも、株主還元に対する関心の高さが伺えます。
しかし、現在の配当政策は黒字基調を反映して未だ十分とは言えず、カタリスト投資顧問は、もっと大胆に株主還元を行うべきだとの考えを示しています。
長期的な展望
2027年2月期までの中期経営計画において、しまむらは800億円の成長投資を見込んでいる一方で、当初計画よりもコンスタントにキャッシュフローの獲得ができると考えています。この背景を鑑みると、株主へ還元する資金の確保が極めて重要です。
今後、様々なステークホルダーとの対話を通じて、真のコーポレートガバナンス改革を進め、企業価値向上に繋げることが期待されています。カタリスト投資顧問は、ディスカッションを通し、実行可能な案を提案し続けていることが注目されます。
この株主提案は、経営陣に資本政策の見直しを促し、さらなる成長と株主還元の強化をもたらす可能性があると信じられています。しまむらが果たして今後の展開で、この方向性にあわせた政策を実行できるのか、業界の注目が集まります。