肝臓外科医國土典宏氏の挑戦と情熱 - 医療の未来を切り開く

医療の最前線を駆ける國土典宏氏

『DOCTOR'S MAGAZINE』11月号が新たに発刊され、今月の特集として国立健康危機管理研究機構の理事長を務める肝臓外科医、國土典宏氏に焦点が当てられています。彼は生体肝移植のパイオニアとして活躍し、300例以上の移植手術を行った実績を持ちます。

医師としての道のり

國土氏は、外科医である父の影響を受けて医師の道を選ぶ決意を固めましたが、彼の進路が肝臓外科に決まるのは多くの患者との出会いの中でのことでした。卒業後、肝硬変に苦しむ患者を多く診たことで、「肝臓を救いたい」という想いが芽生え、1990年代には生体肝移植が始まったばかりの日本において、彼は感動と興奮を覚えました。

特に、1989年に行われた日本初の生体肝移植の事例では、彼は恩師となる幕内雅敏氏の手術を見学し、その技術と理念に強く刺激を受けました。以降、國土氏は肝切除の技術を磨き続け、安全で確実な手術を実現するために日々努力を重ねました。また、彼が開発した3Dシミュレーションは、パフォーマンスの向上と手術の標準化に寄与し、現在では保険に収載されるまでになりました。

パンデミック時のリーダーシップ

2017年に国立国際医療研究センターの理事長に就任した後、國土氏は2020年の新型コロナウイルスのパンデミックの際に、国立感染症研究所と連携を図り、多くの患者を助けるために奔走しました。彼のリーダーシップのもと、多くの医療従事者が新たな難局に立ち向かい、数多くの命が救われました。

現在、国立健康危機管理研究機構の理事長としても活動しながら、外来診療にも力を入れる國土氏。患者一人ひとりに誠実に向き合い、彼らの苦しみを理解し、そのための最善を尽くす姿勢は、多くの医療従事者にとっての手本となっています。

光を求めて挑戦する仲間たち

本号では、特集の一環として「Challenger -挑戦者-」のコーナーにも注目です。ここでは、声帯を摘出した患者が再び声を取り戻すために音声変換アプリを開発中の西尾直樹氏が紹介されています。医療現場での挑戦と、そこに潜む希望を描くことができました。

今月号では、優れた医師たちがどのように患者と向き合い、未来の医療を切り開いていくのかを深く探求しています。ぜひ、手に取ってみてください。あなたの医療に対する考え方を豊かにし、新たな視点を提供してくれることでしょう。