食品ロス削減とこども支援を両立する新たな取り組み

ネッスー株式会社が運営する「こどもふるさと便」が、消費者庁および環境省主催の「令和7年度食品ロス削減推進表彰」にて消費者庁長官賞を受賞しました。この取り組みは、こどもたちの食の支援と同時に食品ロス削減を目指すものです。

日本では、約9人に1人のこどもが貧困の状況にあり、特にひとり親世帯ではその割合が高まります。それに対し毎年、500万トンを超える食品が廃棄されている実情があります。これらの食品をこどもたちに届ける仕組みはまだ整っていません。

「こどもふるさと便」では、ふるさと納税を利用し、地域の生産者や農協、漁協との連携で地域産品をこども食堂や子育て世帯に届けています。これにより、寄附者は地域特産品を得つつ、食品ロス削減と子ども支援を同時に行うことができます。

例えば長崎県対馬市では、未利用魚を活用した食育プロジェクトが進行中です。市場に流通しない魚を利用することで、食品廃棄を減らしつつ地域資源を生かしています。このような新しい取り組みが全国各地で進んでいるのです。

「こどもふるさと便」は2025年から、寄附者が応援品の届け先を指定できる専用ポータルサイトを開設予定です。このサイトにより、寄附者はより具体的に支援先を選ぶことが可能になります。

ネッスー株式会社の代表取締役、木戸優起氏は、「この受賞を契機に、さらなる地域や企業との連携を深め、年間1,000トン以上の食品ロス削減を実現することを目指します」と語ります。彼自身の過去の経験から生まれたこのプロジェクトは、地域に希望をもたらすものとなるでしょう。

「こどもふるさと便」の取り組みは、食品ロス削減とこどもたちの支援を両立させる新しいフードバンクのモデルです。今後、全国的にその活動が広まり、多くの人々が参加できる仕組みとしてさらに発展していくことが期待されています。